ドブレ700SLは煙突を天板(上部)から出すこともできるし、背面(後ろ)から出すこともできる。下の写真は700SLのものだけど、これは700SLだけでなく640CB/760CB/アストロラインでも全て共通していることだ。
天板と背面の両方に煙突の取り出し用の穴があらかじめ開いている。そして使わない方に鋳物の蓋をして、使う方に煙突取り出し用の口元を取り付けるようになっている。そのため設置の状況に応じて自由に選択できる。
煙突を背面から出すと天板が広く使えるというメリットがある。
背面から横に出すと燃焼効率が落ちるという心配があるかもしれないけど、天板から出すのと実はさほど変わらない。そして背面出ししてすぐにエルボで垂直に立ち上げて屋根から抜けば全く同じと言ってもいいくらいだ。薪ストーブの構造を知ればそれは解ることだ。天板から立ち上げたところで、バッフル板の上で水平引きされているわけでその距離が多少伸びてもさほど変わらないのだ。煙突を背面出しして、すぐにエルボで垂直に立ち上げる場合のデメリットは薪ストーブの背面のスペースが広く必要となるので、薪ストーブが手前に出てくることだ。設置場所に無駄な空間が必要となってくる。コーナー設置する場合はデッドスペースの活用という意味で、むしろ背面出しの方が良い場合もあるが、壁に平行に設置する場合にはよく検討する必要がある。
また壁抜きする場合に、背面出しでそのまま水平に壁を貫通させて、屋外でエルボで垂直に立ち上げれば折れ曲がりがL字の一箇所で済む。天板から上に抜いて、室内で折り曲げて、さらに屋外で折り曲げてというクランク状の煙突配管だと折れ曲がりが二箇所になり、その部分が抵抗になって燃焼効率が悪くなる。天板も広く使えるし、燃焼効率も比較的良いというメリットがあるけど、デメメリットもある。それは他の薪ストーブに機種変更したくなってもその穴を使いにくいということだ。煙突の芯の高さが一致している必要があるからだ。したがってもし機種変更する場合には煙突配管を変更することになる。