メトス名古屋でのドブレ三機種比較検討レポート

私が現在コンサルしている、これからのユーザーさんがメトス名古屋に見学に行ってきてレポートをもらったので、本人の了解の上で一部、編集の上で公開する。
それぞれの特徴を端的に判りやすく捉えていると思った。ネット上の情報だけでは判らない、実機に触れた率直な感想が素晴らしいと思った。特に車に例えた印象が、車好きな人には直感として理解しやすいだろう。

川原さま
お世話になってます、大阪のKです。以前のブログのコメントから、メトス名古屋に突撃したご報告をさせて頂きます。
■比較検討課題
1)熱効率の数値
「数%程度は焚き方次第で差が無くなる」との事で敢えて無視。
2)使い勝手等
川原さんのブログを含めたネット情報で座学済。
3)価格
最後の検討材料に。
そんなわけで、分解メンテナンス具合の確認と、実物のデザインを比較してみるという事で行って参りました。
ご対応頂いたのは近藤さん(だったかな)という男性の方でした。(中村所長はおられたのかどうか不明。川原さんのお話はさせて頂きました)
【700SL】
005.jpg
武骨なデザイン。実物を見ると男気さえ感じました。操作性具合も「鉄だ!」というガチャガチャ感など、二昔、いや三昔前ぐらいの四角い1600cc~2000ccMT車のような印象。自分でいじってカスタマイズしていき愛着が高まる予感や、シンプルが故に初心者にも普通に扱えるが、中~上級者が使いこなすと面白さもありそうな、という感じ。
しかし、その武骨さ故か、調理器具面への執着が全くない妻の琴線には触れず…
※メトスの方は全然押してこなかったですね。そりゃそうか。
【760CBJ】
001.jpg
妻の中では「THE 薪ストーブ」のデザインで、本命。私も同様に思っており、薪ストーブと言えばこれか700SLだろう、と。設計年からして当然なのか、今までに実物を見たことがある他社製薪ストーブと近い雰囲気を感じました。立派で頼りがいのあるデザインと大きさ、おそらく我が家の使い勝手にも過不足ない天板と横扉と分解具合に操作性。
だけどなんでしょう、物足りなさを感じたのには我ながら意外。一昔前の1BOXのAT車、という印象かな。川原さんがこの機種に対して、なんだかつまんなさそうな評をされていた事が頭をよぎりました。
【ヴィンテージ】
nagoya028.jpg
デザイン面から「こりゃ無いか」と夫婦共に補欠候補。
しかし、実物を見るとこれまた意外。我が家には合いそうに無いと思っていましたが、そうでもないかもと。薪ストーブと言うより昔のテレビみたい、という良くない印象が夫婦共に引っくり返されました。
川原さんがブログにて開閉等のレバーの好感触について触れておられましたが、それも実感。その感触を含めての私の印象は、昔のテレビというよりは、現代の2000ccMTのFR車(我が家の車)のような感じ。自分でカスタマイズする余地はあまりないかもしれないが、完成度が高く操作性も気持ちが良い。求めた挙動も得られやすそう。しかも燃費も良くなってる。
というわけで、夫婦共、ヴィンテージが補欠から有力候補に急浮上しました。
・比較的に他種とは分解がちょいとしづらい面
・レバー類の高機能化による不具合時の対応
※他種はシンプルが故に経年劣化がなさそうな上に自己対応が出来そうだが、ヴィンテージは比較的複雑な機構で、摩耗を含めた経年劣化等などが本体より先に起こりそう(複雑と言っても、自己対応は出来そうに思っておりますが)
※決め手の一つになりそうなだけに、経年劣化等で好感触さが悪くなったら不満点になりそう
などをどう捉えるか、頭を整理したいと思っております。
また、ヴィンテージに絞ったネット検索も行ってみたいと思います。
(それをしていなかった程、補欠候補でありました(汗))
いずれにしろ、今回の突撃で機種選定になるかと思いきや、引き続き検討を要する事になりました。選定の暁には、また改めて報告したいと思います。

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コメント

  1. mk より:

    上記3種どれにも火が入っていますね!メトス名古屋、一度行ってみたいです。
    機種選択の際、使い勝手やメンテナンス性に加えデザイン面も大事な要素ですよね。自分は最終的に700SLに決めましたが、最初に700SLを見たときは実は見た目にはあまり惹かれなかったのです。でも窓の形がふと目にとまり、あの柔らかく丸いアーチになぜか癒されると感じるようになってきました。ちょっと薄暗くした部屋で火を眺めるときは窓の形は重要だなとも思いました。700SLのレトロ感ある形も我が家には合うと思い、最終的には決めました。もちろん使い勝手や性能など、かわはらさんのお墨付きがあったのが何よりの安心感につながったからですが。
    どの機種でも心を決めてお迎えして使いこなせるようになればユーザーにとってのオンリーワンになりますが、今回のこれからのユーザー様もベストなチョイスができるとよいですね!

  2. かわはら より:

    mkさま:
    コメントありがとうございます。色々と考えた結果の選択をした既存のユーザー様からのご意見は、これから考えている人にとって、とても参考になると思います。
    メトス名古屋・・・私もまだ行ったことがないのですが、いつか行ってみたいですねぇ。

  3. ゆで落花生 より:

    私も、自分の使い方としては絶対に700SLだと思っていたのですが、天板のなで肩デザインがあまりしっくり来なくて、760CBや640CBにしようかと悩んだ時期もありました。
    しかし、700SLを導入して1年間眺めてきた感想からすると、このデザインの良さがだんだんと分かってきて、今では、このなで肩が大変気に入っています。
    多分、どのメーカーのラインナップも天板が水平タイプばかりなので、自然と「薪ストーブの天板=水平」という固定概念を持ってしまっているせいでなで肩デザインを避けてしまっているのかもしれません。
    ヴィンテージに対する違和感も上と同じ理由だと思われます。
    個人的には、薪ストーブ料理に興味が無くとも「料理のしやすさ」は絶対に選択肢から外さないほうが良いと思います。

  4. かわはら より:

    ゆで落花生さま:
    おっしゃる通り、このなで肩の形状は、時間の経過とともに見慣れてきますよね。最初は違和感があっても長期間使っていると、なじんできます。
    時代を乗り越えてきた長年の定番商品ですので、長期のデザイン的にも優れたものがあるのだと思います。
    また、カタログやウェブの写真だけでは判らない部分もあると思います。
    昨日もお客様が来店しましたが、平らな天板の機種と最初は思っていたみたいですが、700SLの実機を見て、即決となりました。
    天板の温度がガツンと上がるのも魅力ですよね。

  5. 大阪のK より:

    お恥ずかしながら、レポートさせて頂きました大阪のKであります。
    mkさま:
    これからのユーザーとして頂きました励みのお言葉、有難うございます。
    700SLに対しては私も同様に、拙宅とのデザイン的な調和があると思っております。
    さらに全くの初心者から致しますと、やはり同じく川原さんのお墨付きには心強さを感じておりまして、
    「“私”のベストなチョイス」に成り得る機種だろうと思っております。
    ただ、ただし…
    「“我が家(夫婦)”の…」を求めるとどうしても700SLを強行できずであります。くぅ~!
    ゆで落花生さま:
    先輩ユーザーとしてのご助言、有難うございます。
    特に我が妻は固定概念が強そうでありますが、「導入」してしまえば見慣れて好意的になるだろう、
    と楽観しております。
    しかし、その「導入」という高いハードルを越えさせるのに、
    理屈で押し通すと折角のストーブに禍根を残しそうで躊躇われるところがあります。
    料理好きならば、その点で訴求力を感じてくれてハードルは簡単に越えられそうなのですが…
    先輩ユーザーの皆様の機種ご選定には、
    ご家族内でどういう経緯を踏まえられたのか少々気になっているこの頃です… はぁ~
    かわはらさま:
    レポートのご掲載、改めて恐縮です。
    ユーザー諸先輩が多くおられるのにも関わらず、
    ご編集されるとの事でしたが愚文はほぼそのままでのご掲載で、こっ恥ずかしい限りです。
    バタバタしてしまっている事もありまして、未だ選定ならず、であります…
    焦る気持ちが無いと言えば嘘になりますが、
    高価で1年越しの憧れの薪ストーブ、ここはじっくり煮詰めて、
    夫婦共に「ベストなチョイス」を目指したいと目論んでおります。
    ちなみにですが、
    拙宅の改修着工時期の見通しが早くて1か月後程で可能、
    しかし建築士の方は日が長くなる時期からがおススメ、という話も出ております。
    いずれにしましても、火入れは今シーズン中は厳しそうです。
    この場をお借りして経過報告をしてしまっておりますが、
    決まり次第改めてご報告差し上げたいと思います。

  6. 長野より より:

    私は一発でヴィンテージが気に入り、ヴィンテージを設置しました。
    ガラスが大きく、炎がメチャメチャ綺麗に見えます!

  7. かわはら より:

    大阪のKさま:
    経過報告も含めて、ありがとうございます。
    重要なのは煙突の配管経路や空気の流れの確保で、薪ストーブの機種の選定は一番最後で大丈夫ですので、じっくり考えて下さい。

  8. かわはら より:

    長野よりさま:
    「一発で気に入り」というのは素敵な出会いですね。この機種を好きになれる人は幸せだと思います。
    高性能で炎が綺麗と自信を持ってお勧めできるモデルです。

  9. pumpkin head より:

    私も700SLユーザーです。
    最近は再度ドアを積極的に使うようにしています。これまでは内部から石材で蓋をしていたほどなんですけどね。それはなぜか?実は薪の積み方によって燃焼状態が激変するからなんです。正面から上手に薪を入れたつもりでも空気の通りが悪くて炎が偏ったり、そのせいで煙が出やすくなったりします。当然、天板端で250度になっていてもです。
    そんな時に再度ドアがあると横からトングでゴニョゴニョと薪を動かすことができます。それによって空気の流れを大きく調整することが可能なんです。正面からやろうとすると火の付いた薪が転がってきたり熾火が溢れてきたりしますので危険な時もあります。追加薪を入れる時も熾火がこぼれてくることもありますので火事の危険、ストーブ周りを汚すことにもなります。この点はヴィンテージにはない700SLの利点だと思います。サイドドアはいろんな意味で重宝しますよ。700SLおすすめです。

  10. かわはら より:

    pumpkin headさま:
    薪の組み換えや、投入の観点からサイドローディング扉が重宝するという視点でのコメント、ありがとうございます。
    それぞれの機種ならではの使いこなしのコツもありますね。

  11. 大阪のK より:

    pumpkin head先輩:
    サイドドア、重宝されておられるんですね!
    未経験者だからなのか頭でっかちに、
    調整は正面よりもサイドドアだ、と改修プランにそれを想定して描きこんでおりました。
    ヴィンテージを補欠にしていた一つの理由もこれでしたが、
    すっかり忘れておりました…
    メトス名古屋にて投入薪1本があっという間に燃え崩れた上での安全再投入、
    で気にならなかったのか。
    はたまた、ただただ間が抜けているのか。う~ん…
    蓋をされていたにも関わらず解禁されてのご活用法のご助言、有難うございます。
    この重宝するサイドドアを見限ってでもヴィンテージに、
    とするならば炉台の広さとトングテクニックを要求されそうですね。
    私はなんとか出来るようになるとしても、
    まだまだ未熟な子供と、今後もきっと不器用さ全開の妻の事を考えると…
    長野より先輩:
    かわはらさんの書かれている通りの素敵な出会いで羨ましいです。
    きっと、ヴィンテージも700SLも、それに760CBJも間違いがない良いストーブと思います。
    なので理屈的な所ももちろんながら、
    感性的な所も選定に重要な要素になると思うのであります。
    そして、先輩と同じように夫婦共々感性的な所を感じたつもりでした。
    なのに、迷っているという事は何なのだろう、と自問自答しております。うむ~
    こうなりましたらかわはらさんのご助言通り、
    先輩方のご意見等いただきながらも最後まで迷っちゃうつもりで臨みたいと思っております。

  12. かわはら より:

    大阪のKさま:
    諸先輩方へのお返事、素晴らしいと思います。
    ドブレ以外の選択肢も含めて、迷う要素はたくさんあると思いますが、時間をかけて納得いく結論を出せたら良いですね。

  13. ナラ より:

    惚れた機種は長い付き合いになるのでインスピレーションが大事です。
    ドブレ社はコスパがグッドで料理の機会が多いかどうかが選定の分かれ道になるような気がします。
    多ければSL700
    そうでなければ、コスパは悪いけど新しいヴィンテージかな。
    SL700は炉内にバーミュキュライトで
    高価な人気機種のヨツールF400やF500に似てますがこちらより設計が進歩的でSL700は世界的なハイコスパではないでしょうか?
    個人的には料理をしない場合
    SCAN64がデザインも洋風のグッドデザインインテリアでコスパで良いよん!

  14. かわはら より:

    ナラさま:
    一目ぼれというか、インスピレーションや直感、第一印象っていうのも大事ですよね。
    料理をしない場合には縦型のオシャレなスリムなモダンタイプも素敵だと思います。純粋に炎を楽しめる割り切りと、ガツンと焚けるサイズも魅力です。

  15. 大阪のK より:

    ナラ先輩:
    「コスパ」… 非常に素敵な、そして大好きな言葉であります。
    700SLでは、
    天板にて3~4個の大きな石を焼き、それを冷水浴槽に入れて風呂を沸かせられないか、
    と暖房器具面だけでなく、炎を骨の髄まで搾り取れそうなのも魅力に思っている次第であります。
    (実際に出来るかどうかはさておきまして…)
    ドブレに拘っておりますのも、
    メンテナンス性の良さがコスパに繋がると拙く考えたからであります。
    ただ、「インスピレーション」も大事とのお言葉、全く異論ございません。
    話がそれますが、我が家の車の一台に、
    コスパが良くない上に2ドアで低車高という乗降のしづらいものがございます。
    コスパと家族の使い勝手を考えれば軽自動車だ、と周りから言われ、当人自体もそう思っております。
    しかしながら、購入から数年経つものの、
    未だにハンドルを握る度に高揚感と満足感を得られてまして、
    これはなかなか「コスパ」だけでは説明できないもののように思っております。
    (搭乗の際、やはり未だに頭をぶつける事がありますが)
    この感覚が、ヴィンテージからも得られそうな予感をしているのかもしれません。
    「コスパ」と「インスピレーション」。
    ナラ先輩のご助言から、私が何を迷っているのかが見えてきそうな気がしております。
    有難うございます。
    かわはらさま:
    またまた恐縮であります。
    プロの方からはもちろんながら、先輩ユーザーの方から直接ご助言頂ける事もなかなかございません。
    かわらはさんのブログを勝手にその場にしてしまっている後ろめたさをちょっと感じながらも、
    そのご助言のお一つお一つに気付きがあって有難く、ついついお返事させて頂きたくなっております。
    縦型ストーブは、なんだかリッターバイクなイメージを抱いております。
    半端ない安定感のせいか、カッコよくパワフルだけど優雅さもあって…
    個人宅にあっても、なんだか洒落たショップのようになりそう。
    そう言えば、
    そんな半端ない安定感のはずのリッターバイクを乗っていた若かりし頃、
    街中で片足上げながら思いっきり立ちごけしたなぁ…
    と、何でも乗り物に例える上に話が変わっていきそうなので、ここらで自制したいと思います…

  16. tm74 より:

    ヴィンテージ、自分たち夫婦は、Kさんとは逆にデザインで、一発で決まりました。
    ガラス面が大きくて、モダンなデザインですが、確かに設置をする家のデザインにも大きく関係しそうです。

  17. かわはら より:

    大阪のKさま:
    こういう場で交流できるのも良いものですよね。遠慮せずにご自由にどうぞ。
    縦型ストーブのイメージも共感できますよ。

  18. かわはら より:

    tm74さま:
    一発で決めることができるのも縁とタイミングだと思います。そういう機種とめぐり合えたのも幸せですね。

  19. 大阪のK より:

    かわはらさん、度々有難うございます。
    ご快諾を頂戴しましたので、またまたカキコさせて頂きに参りました。
    tm74先輩:
    デザイン一発、しかもご夫婦で、
    とは後から悔やむ余地が全くなさそうで、誰が何と言おうとベストチョイスをされたと想像いたします。
    私は、コスパ重視な上にヴィンテージの事前と事後の認識差が大きいせいで戸惑っているのか、
    tm74先輩ご夫婦のような快活な決断に一歩届かず、という感じでしょうか。
    「コスパ」と「インスピレーション」以外の決定要素としての「家のデザイン」。
    これについては、
    改修前という事もあって吟味できない所も決断に至れない所なのかも、
    と先輩のお言葉でふと思った次第です。
    それならば、
    拙宅改修工事は設計が施主設計、施主施工箇所も山ほどある私にとって、
    まだ無い形を想像できていないと言うのは大問題だと感じつつそれはさて置き…
    「家のデザイン」との調和具合も今一度掘り下げて妄想に努める必要がありそうです。
    ご助言、有難うございます!