10月初旬の三日間連続での煙突&薪ストーブ設置工事の初日の現場。
ローコストで手軽な施工方法だけど・・・・
平屋の家で、シングル煙突を壁から出して、軒先にちょこっと立ち上げた、ホームセンターの部材を組み合わせてDIY設置などで見られるよくあるパターン。この施工方法だと、煙突掃除は月に一回。普段使う時にも、煙が室内側にモクモク逆流してきたり、ガラスが煤けたり、炎が途中で消えてしまったりと、けっこう苦労していたそうだ。
「この状態を何とかしたい!」ということで相談を受けた。考えられる対策法はただ一つ。オール二重煙突にして、屋根抜きストレートに煙突を変更することだ。薪ストーブ本体はホームセンターで売っている安い中国製の鋳物でも、国産の高木工業所の高性能の二重断熱煙突を接続することによって、まるで別物の薪ストーブのように蘇る。
今回は十分に広い炉台で、既存の設置場所にこだわらず、小屋裏の構造を避けて薪ストーブ設置位置を移動することもあるという了解をもらっていたので、エルボを使わずに完璧に真っすぐに煙突を立ち上げることができた。
ちなみにリフォーム案件で、薪ストーブ設置場所が決まっている場合には、都合良くその真上に建物の構造(梁や垂木など)が何もないということはまずないので、エルボで折り曲げることが必要となるケースが大半だ。
屋根から真っすぐ抜くことで排気抵抗が少なくなり、劇的に燃焼効率が上がる
煙突掃除もシーズン終了後に一回だけで良いし、その際もいちいちバラさずに屋根に登って、ブラシで煤を炉内に落とすだけで完了するので、大幅な手間と時間のロスをカットできる。
工事完了後、早速いつものように焚いてもらって違いを体感してもらった。「ガラスが煤けない!」「煙が逆流しない!」「炎が消えない!」という言葉が出てきた。
奥さんがいつものように点火
家族全員で見守る
煙突ダンパー付きの二重断熱煙突をつけて、コントロール性と燃費の良さも狙った
快適な薪ストーブライフを送るためには、煙突の役割は極めて大きい。ショボくて安い薪ストーブだから煙突もショボくて安いやつと組み合わせられることが多いけど、きちんとした煙突と接続すれば、全然違うものとなる。きっとこの冬は本来の薪ストーブの楽しさを味わえるだろう。
これは余談だけど、今回の工事の契約では既存の壁面の貫通部分をふさぐ部分については、施主さんが自分でやることになっていたので、手出し不要なのだけど、屋外側を放置しておいて何の対策もしないと暴風雨などで雨が壁面に入り込んでしまうだろうし、穴が開いたままというのは気分的にも良くないので、サービスで私が仮設で行っておいた。室内側は内装の木片の予備が保管してあるようなので、後日自分でやってもらうことにした。貫通部分はセラミックスーパーウールの予備を詰めておいた。(あとは木片を上からハメこめば判らなくなるだろう)