和歌山の新築現場の確認

和歌山県の方から新築の家に薪ストーブをつけたいという話をいただいた。

具体的な薪ストーブの機種が決まらないと、サイズや設置位置が微妙に違って、煙突開口位置の決定ができないので、まずは機種選定のアドバイスをした。

ご主人様の仕事が建築解体関係で、廃材の柱などを大量ゲットできるということで、それを積極的に薪として活用したいということだった。
建材は針葉樹が中心なので、ガンガン焚いても壊れにくいハンターのヘラルド14が、住宅のサイズから一つの候補になった。

ハンター薪ストーブの特徴 ハンターは鋳鉄ではなく「鋼板」で出来ています。 また、構造がシンプルなため、「壊れに…

和歌山周辺でヘラルド14の実物を置いている店がないらしく、下手に関西圏で探すよりもLCCで関空から成田空港に飛んで、かわはら薪ストーブ本舗に来た方が早く展示してある実物を見られるので、先日ご夫婦で来店された。

現物に触れてもらって納得のうえで機種が決定した。
その後、チムニー作成工事が終わったと連絡を受けたので、工務店さんや設計士との事前の打ち合わせ通りに施工されているか、今回の近畿、中部、東海の薪ストーブの旅の流れの中で確認しに行った。
(この現場確認だけだったら、私もジェットスターで行ったと思うけど、他の複数の案件と絡めたので車で行った)
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屋根材と統一感のある板金のチムニーが作成されて仮蓋で養生されていた
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天井の煙突貫通部分の確認を行う
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指示通り、チムニー下端のケイカル裏側に煙突固定金具の木下地と、天井のボード裏に化粧板用の下地が作成されていて安心
他社施工の案件だとけっこう多いのだけど、意外と化粧板下地は忘れられがちで、きちんと指示しないと石膏ボードにビスが刺さっているだけの頼りない化粧板取付となってしまう。

私の場合は、天井の石膏ボード裏に木下地を入れてもらうことはもちろんだけど、さらに「600ミリ角の化粧板の外淵から15ミリ内側にビスを打つから、その部分は木下地にビスが来ないように」というところまで具体的に指示している。

そうしないと、せっかく下地を入れているのに木下地の固定ビスと、化粧板の固定ビスが干渉してビスが打てないということになる。
こういう細かい部分まで打ち合わせの際には設計士や工務店に伝えて、完璧な煙突工事ができるようにしている。

二階の天井部分から、さらに降りて次は一階と二階の煙突貫通部分の確認だ。
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まだ煙突固定金具用に木下地が入ってなかった
この部分は大工さんがこれから作業するのか、忘れているのかは不明だけど、一階の天井の石膏ボードを取り付けてしまったら手遅れになる。現場監督さんに、この部分に木下地を入れるようにお願いして、さらにケイカル部分にも鉛筆でメモを残しておいた。
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固定金具を取り付ける予定面にだけ下地を入れてもらうのだけど、忘れられないように書いておく
(実際の煙突工事の際もメモが残っていると迷わず作業できる)
このように、内装ボードが施工されてしまうと内部が確認できなくなってしまうので、骨組みが見えている段階で確実な煙突固定のための打ち合わせや確認を行っている。こういう部分は図面からだけでは見えてこない部分なので、現場に行って確認すると安心できる。

指示しても指示通りに施工されているとは限らないので自分の目で見ないと正直、不安が残る。

今回は施主さんが私に直接薪ストーブの設置工事を依頼してくれたから、このように私が自分の目で確認することができたが、工務店や設計事務所経由での、薪ストーブ設置も含めての丸投げ案件などの場合には、ここまで事前に細かくチェックしてないのが実情だ。

現実にハウスメーカーに薪ストーブ設置依頼、ハウスメーカーが薪ストーブ屋に下請けで工事させる場合には、連絡が行き届いていないケースが多く、内装が仕上がってからの煙突工事、薪ストーブ設置を一気にやるため、固定金具が下地なしのケイカルに刺さっているだけでぐらついているとか、化粧板のビスが取れて落ちてきたみたいな実例がみられる。

同じ部材を使ったとしても、どのような経路でどこに依頼するかで、品質、安全性に大きな違いが出ることを知っておこう。
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コメント

  1. 薪よう子 より:

    背の低いクラッシク系のイギリス鋼板製ストーブは周囲がメチャ熱くなるので(石炭も焚ける?)
    熱遮断炉台や炉壁が木造住宅では絶対条件になりがちですが川原さんの設計施工でまして新築なら安心ですねー
    同じ欧州デンマークやドイツ製にみられる前面ガラスが大きくて背が高い足が長いモダン系鋼板製ストーブはカッコ良いので川原さんのハース周りの設計コンサルを
    いつか見たいです。

  2. 薪よう子 より:

    背の低いクラッシク系のイギリス鋼板製ストーブは周囲がメチャ熱くなるので(石炭も焚ける?)
    熱遮断炉台や炉壁が木造住宅では絶対条件になりがちですが川原さんの設計施工でまして新築なら安心ですねー
    同じ欧州デンマークやドイツ製にみられる前面ガラスが大きくて背が高い足が長いモダン系鋼板製ストーブはカッコ良いので川原さんのハース周りの設計コンサルを
    いつか見たいです。

  3. かわはら より:

    薪よう子さま:
    横型クラシックタイプの方が、縦型モダンタイプよりも圧倒的に多く出ているので、なかなか紹介する機会がなく残念です。
    「料理なし暖房のみ」と割り切ることができる人にはお勧めなのですが、難しいところですねぇ。