「朝まで火を持たせることを意図して燻ぶらせる」という誤った使い方を見聞きすることが多い。寝る前に薪を投入した直後に空気を絞ってしまって低温で空気を絞って煙モクモク状態で使っている。たまに炉内に燃え残って立ち消えした薪がボコっと残っている状態で見かけるけど、そんな使い方は論外なのだ。
正しい朝まで火を持たせるとやり方は「きちんと高温で焚いて、結果的に朝には熾火が灰の中に埋もれている」ということなのだけど、上のような誤った使い方をすると、タールや煤で煙突がすぐに詰まる。詰まったタールや煤に引火すれば、煙突内が激しく燃えてその熱が建物に伝わって火災になる。
引火せずに煙突トップが完全に詰まった場合には、不完全燃焼して、熾火から発生した一酸化炭素が煙突から屋外に排出されずに室内側に漏れ出して、一酸化炭素中毒の可能性がある。特に最近の建物は高気密の仕様になっているので、一酸化炭素の濃度が高くなりやすいし、そもそも24時間換気で建物が負圧になっているので、薪ストーブから室内に向けて煙の逆流が発生しやすい環境になっている。
就寝時に火災になったり、一酸化炭素の濃度が高まったら、どうなるかは想像つくだろう。
【一酸化炭素中毒についての参考URL】
薪ストーブがブームになってユーザー数が増えてくると、一定比率で、自己流の誤った使い方による事故も発生する。
薪ストーブは暖かくて快適な暖房器具ではあるけれども、使い方を誤れば死亡や重大な障害につながるリスクもあることを心得ておこう。
目視確認できる白い煙を発生させないで完全燃焼に近い形で焚いていれば、まず上記のような事故は発生しないけど、煙モクモクで使っている場合には要注意だ。
近所迷惑にならない場所であっても極力煙は出さないように焚くのが正解だ。
コメント
高気密が一般的な欧州では事故例が報告されていますが国内での事故例報告は警察マスコミ発表は聞いたことはありません。実は隠してるのかな? 国内でも高気密住宅+換気扇負圧夜間使用+空気の絞過ぎ、この3点セットで一酸化中毒を起こすと思います。
うさぎさま:
これからの日本の住宅では誤った使い方で一酸化炭素中毒の事故が起きる可能性出てくるので警鐘の意味で、この記事を書きました。
死亡や後遺症に至らなくても、頭痛とかメマイとか程度で本人が、それと気づかないで「気分悪い」「風邪?」と見過ごしているケースもあるでしょうね。