立体に一体成型された鋳物の岡本AGNI-CC

海外製の多くの鋳物製の薪ストーブの本体は「側板」「背面」「前面」など1面ごとに鋳物のパーツを鋳造して、それぞれの面を組み立てて箱の形にしている。それぞれのパネルの組み合わせ部分は、耐火セメントやガスケットで気密を取っているが、その気密性には限界がある。長期的には経年劣化により、多少の気密性の低下が発生が宿命で、空気が流れ込むことで燃費の悪化や過燃焼の原因となる。
しかし、国産の老舗の鋳物メーカーである岡本は、日本ならではの高度な製造技術を使って、本体の「箱一つ」の立体構造を単体の鋳物で作っている。側面、背面、全面などのパーツを組み立てるのとは違い、物理的にそもそも隙間がない構造なのだ。焚くと高温になりがちな針葉樹を安心して焚くための、長期に渡る気密性の保持も、この製品の特筆できるポイントの一つだ。
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ボーっと見ていると気づかないかもしれないが、一体成型された本体
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鋼鉄ではなく鋳物なのに本体の箱の構造が継ぎ目がない
よく見ると、側面パネルと前面パネルの間に継ぎ目がないことが確認できる。何気なく見ていると判らないけど、極めて優れたユニークな技術で作られている製品なのだ。これにより物理的な隙間がないことで、鋳物なのに鋼鈑製のような気密性の良さを確保している。
また、扉の開閉などでも精度の良さを実感できる。ドラえもんの尻尾のようにユニークな取っ手のデザインに触れるて開閉させると高精度の扉ならではの気持ち良さがある。クルマで行ったらベンツのドアのような感じだ。ぜひとも、実機に触れて、他のストーブとの違いをチェックしてもらいたいところだ。カタログやネットの情報だけでは解らない質感の良さ、手触り、感触を味わって欲しい。
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設置完了したAGNI-CC
縦の格子状のデザインも、放熱のための表面積を稼いで暖房効率を上げる働きをしている。見た目だけでなく、合理的な設計になっている。

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コメント

  1. みっちゃん より:

    お久しぶりです。
    昨年の薪焚亭さんの薪割会でお会いしましたみっちゃんです。
    今回の記事を見て驚き!!
    コメントを入れずにはいられなくなりました。
    一体成型の鋳物のストーブ?
    どうやって作るのか??
    一体成型で作れば、良いストーブができるのは分かり切っているのですが、それを実際にやってしまっている技術が凄いと思います。
    どうやって木型を抜いていくのか…。
    そもそも木型なんて使っているのか…。
    その製造方法が私には見当もつきません…。
    以前よりAGNIには興味を持っていましたが、ますます興味がわいてきました!

  2. かわはら より:

    みっちゃん:
    自己紹介とコメントをありがとうございます。
    単なる木型ではないんですよ。超音波で鋳物の枠になる砂を固めるという凄い技術です。工場見学しましたが、衝撃的でした。