煙突入れ替え工事で見た恐ろしい現実

いよいよ東北ツアーのスタートだ。

今回は福島で煙突工事1件(昨日)、山形で煙突工事&薪ストーブ設置工事(本日)、来週の月曜日に山形で薪ストーブ設置工事の現場確認と打ち合わせの合計3件をまとめて、一度の行程で動けるように段取りを組んだ。

とりあえずの1件目は単純な煙突入れ替え工事のため楽勝かと思いきや、意外と大変だった。

以前、ありがた屋さんの薪割会の後に現場確認させてもらって、煙突掃除などのメンテナンス性の向上のため、室内で大きくオフセットした煙突のエルボを撤去して、煙突を真っすぐにして、薪ストーブの位置をずらすということになっていた。

ありがた屋さんの薪割会の翌日は、同じ福島県の海沿いの町の現場へ移動した。 煙突から煤が噴き出してしまうという案件だ。 薪...

まずは既存の煙突を取り外した

とりあえずは屋外に置いておく

この後に、エルボを撤去して、直筒を接続したら、目視確認できるほどに斜めっていた。水平器を当てると、煙突の端と端で1センチくらいずれていた。こんな斜めな状態で煙突が下りてきていたとは、驚きだった。

以前はエルボで適当な角度で折り曲げてつないでいたから口元と煙突が繋がっていたけど、ストレートの煙突にするためには、煙突が垂直になるように修正しないと、きちんと薪ストーブと煙突が接続できない。

まずは二階のフロアと一階の天井の化粧板を取り外す。そして、煙突貫通部分の固定金具を確認したら、唖然とした。というか、笑ってしまうような状態だった。

煙突固定の金具のビスが最後まで打ち込まれていなかった

私の金具の撤去途中の写真ではなく、化粧板を取り外したら、この状態だった。

ビスを打つ作業の途中で、お昼休憩か、3時休憩で、時間ぴったりに切り上げたのだろう。休憩の後はビスを打つ途中だったのを忘れて、次の作業に入ったとしか思えない。

金具の固定がビス一本だけで、固定の後に無理やり動かされたようで金具が歪んでいる

固定金具を取り付けた後に煙突が垂直になってないことに気づいて、金具に煙突がついている状態で、無理やり煙突を動かしたのだろう。金具がハの字の歪んで、リングも同様に歪んでいる。しかし、それでも煙突の垂直性が確保できずに、曲がった状態のままで、そのあとの作業を進めていったのだろう。

一度、金具を全部取り外した。

結局は、金具を切断加工しないと、煙突貫通部分にきちんと納まらない寸法だった。既製品の状態だと、貫通部分に当たってしまって、調整代の範囲では煙突が物理的に垂直にならない関係だった。

基本的にこの金具の取り付けの際、ビスは仮止め用で、本固定はコーチボルトで行う仕様だ。ビスで金具の位置を決めてから、太いコーチボルトできっちり効かせる。今回は、元の状態ではなく、そのように正しく施工しておいた。

一度全部取り外しての、修正後は、こんなにずれていた

煙突を垂直な状態に修正してから、化粧板を取り付けると3-4センチずれていた。ちなみに、化粧板を取り付ける、元のビスも適切な全ねじの物が使われておらず、半分以上はきちんと効いていない状態で空回りして外れなかった。全ねじのビスと交換して、きちんと天井板に効くように修正しておいた。

ありとあらゆる部分で、こんなにも杜撰な工事でも仕事を続けていけるなんて、ある意味すごいと思った。

今回の現場も、なかなかの工事だったけど、これはまだマシな方なのだ。他社施工の煙突掃除の依頼で、煙突がグラグラすると思ったら、煙突固定のビスが木下地のない石膏ボードに刺さっているだけで、ビスが全く効いてない物件など、もっとすごい工事も数多く見てきた。

杜撰な施工の薪ストーブ屋かどうかというのは、契約時には判らないのが現実だと思う。

薪ストーブ屋の選定を値段や雰囲気だけで選ぶと、どうなるかを想像してみて欲しい。化粧板の内側の施工後は見えない部分、隠れてしまう部分だけど「良心」「誇り」があるかどうかは、こういう部分にこそ現れるのだと思う。

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