ホームセンターで中国製の鋳物の薪ストーブを買ってきて、煙突や炉台をDIYで上手に施工すれば10万円程度でも薪ストーブを導入することは可能だ。
一方、薪ストーブ屋さんに依頼すると100万円程度かかるわけだ。
前者と後者では値段が10倍くらい開きがあるが、温かさや性能が10倍違うのだろうか?
性能差が10倍あったら中国製薪ストーブを10台導入しないと欧州製1台分しか暖まらないということになるが、そんなことがないのは誰でも判るだろう。
同じ大きさ、質量のもので厳密に燃費、最大熱量など比較すれば20-30%程度の性能差はあるかもしれない。しかし、両者を比較してみたことのある人なら推測できると思うが、実用上はどちらも快適で暖かな冬の日々を過ごせることは間違えない。
薪ストーブ同士を単純に比較した20-30%程度の性能差など、使用する薪の性能で消し飛んでしまうものだ。十分に乾燥した薪を使わなければどんな高級薪ストーブだって性能を発揮できない。
それはもしかしたら自動車に置き換えて比較してみるとイメージがつかみやすいかもしれない。60万円の軽自動車でも600万円の高級外車でも高速道路を含めて公道を多少法定速度を超えて走行する程度では何の支障もない。どちらも時速120キロで巡航する性能は備えているし、流れに乗って走ることができる。目的地に人や荷物を所定の時間までに届けるという目的に関してはどちらも変わらない。
薪ストーブの世界では「高級外車」がやたら多くて「軽自動車」が異様に少ないのはどうしてなのだろう。