昔の家は隙間だらけだったが、最近の家は断熱性能を高めるために気密性もかなり高くなっている。このため何の対策もなく窓を閉めてしまうと、屋外と室内の空気が入れ替わらなくなって汚れてしまうし、湿気や臭いが抜けなくなってしまう。健康上も問題があるので、高気密高断熱の家の場合には強制的に換気するために24時間換気扇を回して対策する設計になっている。
こういう家で薪ストーブを設置、使用する場合には注意が必要だ。換気扇を回しているということは室内から屋外に向けて空気を放出しているわけで、気圧が室内の方が低くなる。圧力は高い方から低い方に向かって流れを生み出すので、煙突を通じて空気が屋内から室内に向けて吹き込んでくるという現象が生じる。その結果、薪ストーブの煙が室内側に放出されて家の中が煙だらけになってしまう。特に焚きつける時にその傾向が大きい。
薪ストーブを焚きつける時には換気扇を止め、なおかつ薪ストーブの近くの窓を開放して気圧を屋外と一緒にするなどの対策によって若干は煙の逆流は回避できるが、さらに効果的な方法として積極的に薪ストーブの燃焼用の空気をダクトを通して直接屋外から引っ張ってくるという方法もある。室内側の空気を使わなければ気圧の影響を受けにくくなるからだ。
薪ストーブの機種によっては、写真や以下のリンクのように後部背面から燃焼用の外気導入アダプターを取り付けることができるタイプもある。それにしても、薪ストーブのショールームに行って、いきなりこんな写真を撮る人もあまりいないだろう。普通は正面を撮りますよね。