■成り立ち
午前中から午後まで何時間もかけてじっくり過ごしてきて、写真もたくさん撮ってきたので、これから数日間はシリーズで綴っていく。
以前、千葉県匝瑳市で主催した薪集めツアーの参加者の一人が、イベントの翌週に薪ストーブ屋さんをはじめたということだったので、オープン後に一段落して落ち着いた頃の週末を見計らって、とりあえず行ってきた。
千葉県船橋市で不動産業、工務店を営んでいる会社経営者が自分の自宅へ薪ストーブを導入するために販売店に買い付けに行ったところ、そこの社長と意気投合して代理店をはじめてしまったということだ。
薪ストーブ単独での営業だと、それほど販売頻度が高いものではないので、パッとやりはじめてすぐに利益が出るということはないが、既に母体である不動産、工務店があるので何とかなるということだろう。また「薪ストーブ屋」の店舗も既存で使っていた住宅ショールームに後から薪ストーブ設置したので、新規で専用設計した店舗ほどコストがかかっていないという有利さもある。別の観点からは専用設計した建物でなくてもここまでできるという良いお手本にもなっている。まあ、もともと住宅展示場として使っていた建物だからかなりグレードの高い余裕のある間取りになっているわけだが・・・。
ショールーム(店)には週末は3名の社員が常駐しているが、これも既存のヒューマンリソースを使っているので、無駄な経費がかかっていないという点でも有利だ。
何にもないところから全く新規で立ち上げるとなると経費を回収するのは難しいと思うが、このような形ではじめるのが理想的で無難なやり方だと思った。
薪ストーブの販売、設置工事などの請負はもちろんだが、新築で家を建てようという人の中で「薪ストーブライフ」というゆとり、ライフスタイル、付加価値(具体的には100万円程度の価格)を許容できる階層を取り込んでいくという本業の戦略にも繋がった上手なやり方だと思った。
以前、浦安の住宅展示場で煙突のある家を見たことがある。残念ながら平日だったためにスタッフがいなくて中を見ることができなかった。そこは外に薪が積んであることもなかったので本当に稼動している薪ストーブや暖炉もないだろう。こういうところは単なるイメージだけになってしまいがちだと思った。しかし、このように実際に稼動している薪ストーブを見ることができるのは強力な動機付け、実演販売になると思う。