写真は焚きつけ後30分程度経過した時の炉内の様子だ。昨日の写真の状態に追加でちょっと太目の薪を2-3本入れた後だ。温かそうに見えるけどこの時点では、まださほど部屋の温度は上がっていない。このようにオレンジや黄の炎の色の時には見た目ほど温度は高くなっていない。
鋳物の薪ストーブはけっこう厚みがあるので、炉内に火を入れても最初の30分程度は薪ストーブそのものの温度を上げるために熱が使われていて、部屋まであまり温度が伝わってこない。だいたい30分程度経つと表面温度が250℃程度まで上がり、このくらいになると放射熱が本体から出てきて、じわじわと部屋が温まりはじめる。また、焚きつけ後30分程度は炎を育ててやり、適切な薪を追加投入してやる必要があるので目を離すわけにはいかない。
スイッチポンですぐに温風が出るファンヒーターやエアコンとか石油ストーブと比べて、明らかに部屋の温まり方や立ち上がる速度は遅い。
しかし、一度温まると熱エネルギーを薪ストーブ本体が蓄えてくれるので温かさが長続きする。そして他の暖房器具とは比較にならない温かさを維持してくれる。適切な場所に設置された家のサイズに合った薪ストーブであれば一台で家中全てを温めてくれる。我が家では、薪ストーブを導入したら、それまで使っていた石油ファンヒーターやオイルパネルヒーターなどは処分してしまったくらいだ。
一般的に薪ストーブというと鋳物製を思い浮かべる人が多いと思うが、鋳物の薪ストーブとは違って、上から見た形状が卵型とか時計型の薄いステンレス板製の薪ストーブもある。これらは表面が薄いので、火を入れるとすぐに温度が伝わって部屋が温まり石油ストーブ以上に早い立ち上がりだ。見た目の豪華さはないが、性能的には素晴らしいものがある。これは本体が一万円程度で買えてしまうので、二台目の薪ストーブとして庭などで試してみるのもありだと思う。煮炊きやBBQなどにも季節を問わず活用できる。
また、ステンレス薄板製と鋳物の中間の性質を持つものとして、鋼板製の薪ストーブもある。これは立ち上がりと蓄熱のバランスが取れていて、デザインの自由度が高いのでユニークな形状の製品が多い。
大きくわけて三種類の性質の薪ストーブがあるので、これから選ぶ人は目的や用途を考えて慎重に選択しよう。