薪ストーブの導入前にはカタログの数字を比較して「暖房能力が・・・」「燃焼時間が・・・」「燃費が・・・」「排気がクリーン」とか色々と考えてより良いものを選択しようとするけれども、そういう数字を検討してもあまり意味がない。何故かと言えば、そういう数字は焚き方、使いこなし方で全然違ってきてしまうからだ。極端な話だが、設置場所にふさわしい、ある一定の大きさ(重さ)の範囲で自分の好みのデザインで選んでしまって問題ない。もちろん「お勧めは?」と訊かれれば質感や精度やメンテナンス製からドブレが良いと私は思うけど・・・。
どんな高級薪ストーブを使っても乾燥の不十分な薪を使えば、温度が低くなって本来の性能を発揮しないで、煤だらけ、煙だらけでまともな燃焼をしない。よくガラスが煤けているところを見かけるが、この場合は薪が乾燥ていなかったり、空気を絞り過ぎて不完全燃焼しているわけだ。
また安い二次燃焼システムのついてない薪ストーブでも、乾燥した薪を使って上手に焚けば、十分に温かいし、ガラスも煤けないし、煙突からの煙も目視確認できるようなものにはならない。燃費だって最後の薪の投入から20時間経過しても、残りの熾き火だけから再始動できるほど火持ちが良いのだ。(これは薪ストーブの炉内のサイズに依存する)
つまり、薪ストーブの種類や性能の違いよりも、薪の性能と使いこなし方の方がはるかに重要だということなのだ。薪の性能次第で薪ストーブのパフォーマンスが逆転してしまう。十分に乾燥した薪を、惜しげなく使える状況をいかに作れるかが快適な薪ストーブライフの基本だ。