これから薪ストーブのシーズンに入るわけで、直前に煙突掃除を考えている人もいるだろう。
前シーズンの焚き方の反省と、近所迷惑の防止のために1年に1回の煙突掃除は基本だ。
よく薪ストーブに繋がっている煙突を外して、その部分からブラシを突っ込んで室内側の下から上に向けて動かして煙突掃除をしたつもりになっているユーザーのブログを見かける。しかし、このやり方はあまり意味がない。本人は「煤がこれだけ回収できた」とやったつもりになっているけれど、実際に煤が付着して大きな問題になるのは煙突のトップ部分なのだ。このやり方だとトップ部分の煤をあまり除去できない。本来の性能まで復活しないだけでなく、繰り返していると、やがて詰まってしまうだろう。
さらに言えば、二重断熱煙突の内部は排気温度が高いので、正常な燃焼ならば、それほど煤は付着しないはずだ。この部分だけで黒い煤が大量に回収されているということは、「燃焼温度が低く焚き方が甘い」と判断できる。それにブラシを動かす際に煤がビニール袋とブラシのロッドの隙間から漏れて周囲が汚れるし、あまり上手いやり方とは言えない。
それでは正しい煙突掃除のやり方とはどういう方法だろう?
合理的で確実な煙突掃除の方法は、屋根の上に上がりトップ部分を取り外して、上から下へ向けてブラシを突っ込んでやるのだ。そして外気にさらされて冷やされて一番煤が付着して詰まりやすいトップ部分は一度ベランダや地面など、屋根の上から下ろしてから安全な場所で掃除してやるのだ。
薪ストーブの構造によってやり方は違うが、天板が容易に外せてバッフル板(炎の折り返し板)の上に落とした煤が溜まるタイプや、炉内から落ちた煤にアクセスできる構造の場合には煙突を外す必要もない。煙突掃除の後に天板を外したり、炉内から煤を回収するだけなので部屋を汚すこともなく簡単に確実に掃除ができるので、いきなり屋根に上がっても大丈夫だ。
天板が容易に外せないタイプの薪ストーブの場合には、薪ストーブの内部に落とすと内部で詰まってしまうので、薪ストーブと煙突の接続部分を取り外す必要がある。外した部分にコンビニ袋などをテープでふさいで準備完了だ。それができたら屋根に上ろう。
屋根に上がったらブラシを突っ込んで動かしてやる。煙突掃除が終わったらブラシを地上に降ろして、先ほど掃除したトップ部分を持って上がって元通りに取り付けてやればOKだ。
その後、室内へ戻って煤を回収すれば終了だ。
ロックバンドを外す
あとは持ち上げるだけで簡単に外れる