寒いこの時期には、夜に投入した薪が燃え尽きずに朝まで熾き火が残っているので、その熾き火を元に炎を成長させているので、薪ストーブから完全に火が消えることはあまりない。
そして熾き火が全くない冷え切った状況の時からの焚きつけの場合にも、余裕があれば小さな木屑から焚き火方式でマッチ一本でつけたり、余裕がない時には小枝にバーナーで着火している。
着火材というのは私は使っていない。人からもらったのを試しに使ってみたことがあるけど、どうしても好きになれない。コスト的にもガスバーナーの方がはるかに安いし、着火も簡単だし、煙の発生も少ない。
今回、たまたま外出していて薪ストーブから熾き火が燃え尽きて温度が冷えた状況が発生したので、焚きつけ用の細い薪を使わずに、中割りの薪に油をぶっかけての着火という邪道の極みを試してみた。油はガソリン以外であれば何でも良い。灯油が一番無難だが、古くなって捨てるような天ぷら油でも、エンジンオイルの廃油でも良い。
着火直後の様子だが、薪の繊維や垂れ落ちて灰にしみ込んだ油が燃えていて、灯油ストーブの芯から炎が上がっているのと同じような感じだった。炎の立ち上がり方も薪が燃えているのとは明らかに違い、表面の油だけが燃えているので、勢いがなく、見た目ほど温かさを感じない。不自然な感じの炎だ。
煙突からはきっと灯油ボイラーの立ち上げ時のような煙と臭いが排出されていたのだろう。炉内も木だけを燃やしている時とは違う異臭が気になった。もちろん焚きつけ後1時間、2時間と経過すればそのような臭いも焼け飛んでしまい問題はないが、それでもこういう焚きつけ方をした時には炉内料理をする気にもならない。
完全に薪そのものがしっかり燃え出すには、やはり30分程度の時間がかかり、魔法のように一気に温度が上がるということもなかった。