チェーンソーで木を切っていると刃はすぐに切れなくなる。鉄の刃で木を削っているだけだから、ずーっと同じように切れると思ってしまいがちだが、そんなことはない。一度の給油で20-30分程度の作業時間だが、それだけで切れ味は確実に落ちている。少しづつ切れなくなっていくので作業していても切れ味が悪くなっていることに、なかなか気づかないけど、だんだん力を入れないと切れなくなっているはずだ。なかなか意識しづらいかもしれないが、チェーンソーから出る木屑を見れば、切れていないのが判る。この写真のように粉状の木屑が多くなる。
本来の切れ味はチェーンソーの自重だけで、刃が勝手に気に食い込んでいくように、まるで豆腐を切っているかのように楽に切れるのだ。その時のチェーンソーから出る切り屑の形状は四角い薄い板状のものだ。鋭い刃先で木を削り取っているから、こういう形状になるのだ。
切れないチェーンソーだと、エンジンを回してもなかなか切れないので疲労度が高まり、作業効率が落ちて怪我のリスクも高まる。短期的にはガソリンの無駄遣いだし、長期的にはエンジンの寿命も縮まるし良いことは何もない。
また木屑が細かくなってくるとチェーンオイルの噴射口を塞いでしまい、刃の潤滑が悪くなってさらに切れ味が落ちるという負のスパイラルにハマってしまう。切れ味が良くて木屑が板状の場合にはチェーンオイルの噴射口が詰まりにくいのでスムーズに刃の潤滑も保たれる。
ちょっと面倒でも必ず毎回給油ごとに刃を研いで、チェーンカバーを外してチェーンオイルの噴射口付近をざっと清掃してやろう。10分程度の作業時間だが、これをやるのとやらないのでは薪集めの快適さが全然が違う。この間にオーバーヒートしそうになっている人間とチェーンソーをクールダウンしてやることもできるし、刃先の形状が崩れる前に小まめに研いでやることで、いつまでも切れ味を保つことができる。手抜きして刃研ぎを怠ると刃先がボロボロになってしまい、思いついた時に頑張って刃研ぎしようとしても、なかなか切れ味が回復しなくなる。