亡くなった方は規模から推測すると恐らく数万人以上だと思う。もしかすると一桁多いかもしれないかもしれないと感じている。家を失った方、怪我をした方、無事でも避難所できつい状況におかれている方も大変だ。今回被災した方にお見舞いを申し上げる。
私は、この大地震を長野県の薪ストーブ設置先で迎えたので、自宅や自宅周辺の状況は帰宅してから確認した。震源から離れていたこともあり、薪棚の積み方が甘くて「いつか崩れる」と思っていたところが崩れたのと、液晶テレビやパソコンのモニターが倒れて画面が割れた程度の軽微な被害だった。
そして昨日は車で1時間程度の茨城県鹿嶋市へ災害復旧工事のお手伝いに行っていた。普段から煙突設置工事、煙突掃除、薪ストーブ設置工事で屋根に上る機会が多いので、非常事態時には、このような応援要請が入るのだ。そこでは電柱や看板が倒れる、道路が陥没する、塀が倒れる、屋根瓦が落ちるなどの被害だった。
地震の時に薪ストーブの使用について、私の周辺では、この程度の揺れだったということを前提に話を進める。
先日にライフライン遮断時の薪ストーブの使用について書いた記事に「使うべきではない」というコメントを数人からもらったけど、一般常識があれば、煙突が外れたり、ずれたりしていたら火を入れないと判断するのは当然のことだと思う。被害状況や、揺れは千差万別なのだから、一概に「こうするべき」と断定はできない。あれだけの地震だったのだから、薪ストーブ本体から煙突まで一通り点検するべきなのは言うまでもない。自分で点検したり、判断できない人は設置した業者に依頼したり、対応してくれない場合には私に相談すれば良い。
そして「問題ない」と判断できたら、薪ストーブを積極的に使うべきだと思う。もう電気、ガス、水などのライフラインが復旧した地域も増えてはきたけど、それらが止まっている地域だって、まだあるはずだ。明かり、暖房、調理ができるのであれば、被災生活もだいぶ違うはずだ。ちなみに我が家では、ライフラインは24時間程度停止していたけど、その間もガンガン薪ストーブを焚いて煮炊きや暖房、照明器具として活用していたそうだ。
地震発生時に薪ストーブを使用していての不安は火災だろう。結論から先に言うと「それほど心配するに値しない」と私は思っている。薪ストーブは災害時にでも安心して使用できる安全な暖房器具、調理器具、照明器具なのだ。節電が求められている今こそ積極的に活用しよう。その理由を以下に説明する。
まず薪ストーブ本体は相当な重さを持っている。200キロ近い。それが家の構造物にがっちり数箇所で固定したステンレス製の丈夫な二重断熱煙突で上から押さえつけられているわけだから、相当な揺れでも動きはしない。きちんとした製品を使って、正しい施工方法を取っていれば、倒れたりするリスクはまずないだろう。ちなみに以前の中越沖地震の後にメーカーで、自社製の薪ストーブの被害状況を調査したそうだけど、倒壊しない家屋での最大の被害は5センチずれただけというものだったそうだ。
なお煙突を天板から出している場合には地震発生時のリスクは少ないけど、背面出しの場合や、天板から出していても壁出しの場合は煙突が外れるリスクが考えられる。後で説明するけど、万一燃焼中に薪ストーブから煙突が外れても大きな問題ではない。しかし、より一層の安心のためにはこの記事のようにアンカーボルトで固定するのも一つの方法だ。
巨大地震の際は、家屋が倒壊したり、流されてしまったりするような被害状況だってあるわけだが、この場合は薪ストーブが倒れたとか煙突が外れたなどの、薪ストーブの被害だけを議論しても意味がないと思う。薪ストーブのあるなしに関わらず、家そのものが破壊されるわけだ。そして火災は薪ストーブだけによって発生することでないことも、一般常識があれば推測がつくはずだ。電気器具、石油ストーブなど、薪ストーブ以外からの発生の方がむしろ多いだろう。
薪ストーブの使用時に「煙突が外れる」というのは、まともな施工であれば、家屋が倒壊するほどの揺れでないとまずないのだけど、さらに安心してもらうために補足しておこう。使用中に薪ストーブの煙突が外れても炎が噴出すことはない。薪ストーブは何で燃えるかを考えてみれば理解できる。煙突からのドラフト(引き)があるから燃えてくれるのだ。煙突がなくなれば、ドラフト(引き)もなくなるので、ほぼ密閉された鉄の箱ということになり、空気の流れがなくなるので、燻ってしまって全然燃えないのだ。私はガンガン焚いている薪ストーブの煙突を、いきなり取り外すという実験をしたことがあるけど、煙が出てくるだけで、炎は噴出さなかった。
この状況になるのは家が倒壊するほどの被害の時だから、想定してもあまり意味がないのだけど、万一薪ストーブの使用中に突然煙突が外れても炎が噴出さないということを知っていれば、地震の時にでも、さらに安心して焚けるだろう。そして鉄の箱の中で燻っている状態から、倒壊した建物に引火させるまでは、それなりの時間があり、すぐに火災になることもないだろう。この時は倒壊した建物の下敷きになったら生きているかどうかも判らないわけで「薪ストーブからの火災を心配して焚かない」というのは合理的でないことも理解してもらえるだろう。もし「薪ストーブからの火災を心配して焚かない」というくらいならば「買い物に行くために車を運転する」とか「通勤のために歩道を歩く」などの方がはるかにリスクの高い行為であり、そういう人は「自宅で何もしない」という選択肢を採った方が良いだろう。
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