薪ストーブ料理の定番というか王道にピザが上げられる。薪ストーブにある程度慣れてきたら、ぜひとも試してみよう。上手に完璧に焼けるようになればホームパーティの成功は間違えなしだ。
誰でも最初のうちは焦がしたり、上手に焼けなかったりするけれどもコツをつかめば簡単にできるようになる。そのコツを知っていれば遠回りすることもないので参考にして欲しい。
薪ストーブでピザを作るうえで一番大事なのは最適な炉内の状態を作れるかどうかにつきる。。熾き火がたっぷりあって、炎がユラユラと立ち上がっているくらいが理想なのだ。熾き火が少なすぎるのはNGだ。炎があがってないとピザの表面のチーズがいい感じで溶けて美味しそうな色に焼けてくれない。熾き火でピザの底を焼き、炎で上部を焼くということを意識しつつ、調理時間に合わせて薪の投入を考えて、火力の調整をしていこう。
炉内の状態は本格イタリアレストランのピザの石窯の状態を参考にしよう。これを薪ストーブの炉内で再現することで、本物の美味しさが初めて可能となる。薪ストーブの場合には熾き火+スキレット(またはダッチオーブンの蓋)がピザ釜の石の部分、そして熾き火からユラユラと上がっている炎がピザ釜の中で燃えている薪ということだ。 炎が足りない場合には積極的に細めの薪を熾き火の上に乗せて燃やしてやることも必要となる。本格ピザ窯を見たことない人は一度見学に行くことをお勧めする。
ちなみにイベントの時にオーブン付きの薪ストーブでも同じ生地と素材で焼いて味を比べてもらっているが、みなさん口を揃えて直火で焼いた方が美味しいと言う。直火の方が香ばしさが出てくるのだ。
なお調理に使うスキレット、ダッチオーブンの蓋、ピアットなどに油を塗る必要はない。そのままベタ置きしてOKだ。クッキングペーパーを敷かなくても特に問題ない。
薪ストーブは火力が強いので炉内に入れたら2分ほどで焼き上がる。入れたら絶対に目を離さないことだ。電気オーブンとかで焼いている感覚で食器やカメラを取りに行ったり、他のことをしたら、気づいた時には黒焦げになっているだろう。体感的には入れたらすぐに焼き上がる感じだ。チーズが溶けてグツグツ泡だってきたら取り出すスタンバイだ。チーズの表目に焦げ目がついてきたら、すぐに取り出そう。ピザの表面が暗くて見えないのであれば炎が足りないということだ。焼き上がる時間がかかる場合は熾き火の量も少ないと判断できるので、次回に炉内の調整を修正しよう。
ちなみに薪ストーブのサイズだけど「我が家の薪ストーブは炉内が小さいから・・・」とやる前から諦めている人もいるかもしれない。しかしドブレのアストロラインという縦型の小さな炉の薪ストーブでさえピザを焼くことは可能なのだ。ドブレでいえば760CBのような大型薪ストーブでないとできないといことはない。中型の640CBでも700SLでも十分過ぎるくらいに可能だ。
こんな小型薪ストーブでも十分にピザは可能
普通のスキレットやダッチオーブンの蓋が入らないほどの小型薪ストーブでピザを焼く時には、使う道具が重要になってくる。最悪の場合は扉を開けっ放しで取っ手を外に出したまま焼くというのもアリだけど、ピザを美味しく焼くのには炉内を高温の保つことが秘訣なので、扉を開けっ放しだと今ひとつ美味しく焼けてくれない。取っ手が取り外せるピアットF-461が便利だ。これで鉄板だけを炉内に置いて扉を閉めることができる。
また、普通のサイズの薪ストーブの場合でも、取っ手を外せるという特徴は、持つ部分が熱くならずに済むので安全に出し入れできることにもつながる。普通のスキレットやダッチオーブンの蓋の取っ手部分はピザを焼いた後には耐熱グローブをしていても火傷をしてしまうくらいの高温になっている。耐熱グローブした上でさらにもう一枚、布や皮手袋などを介して持たないと危険だ。そういう防護策を取るとと、けっこう力を入れづらくて不安定になったりして大変だけど、ピアットF-461があれば、安全にラクに作業できて、ピザ作りがより一層楽しく快適になる。
またパーティなどで複数のピザを立て続けに焼く場合にも役立つ。実は薪ストーブでピザを焼く場合にはスキレットのプレヒートは全くしないでも構わないくらいなのだ。普通の料理の常識は通じない。薪ストーブでの調理の場合には強力な熾き火ですぐに熱くなるからだ。焼いた後で熱くなった状態のスキレットを続けて使うと二枚目は間違えなくピザの底が黒焦げで美味しくなくなってしまう。こういう場合には二枚、三枚のスキレットを使い回して冷えた状態で焼くとピザの底を焦がすことがなくなる。
時間と余裕のある時には手作りのピザもお勧めだ。生地を作るの意外と簡単だ。強力粉250g、薄力粉250g、イースト菌、水、オリーブオイルを適当に混ぜてこねるだけだ。ピザ一枚が100g程度なので、これで5枚作成できる。その後で薪ストーブの近くで1時間くらい発酵させておけば良い。これを伸ばして、あとは適当なソースと具材で、市販ではありえないような様々な創作ピザが楽しめる。
あんピザ(小倉ピザ)
ドブレ700SLでベーネ・カッサのピザを焼く
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