【ドブレ700SLユーザー要確認】灰受け扉のガスケットの潰れ問題

先日、私の大好きなドブレ700SLを設置したという報告をいたただいた。遠方で私のブログの記事を見て導入を決めて個性的な住宅にぴったり合っているのを見て、うれしく思った。
源頭の風景を求めて・・・[薪ストーブ(ドブレ700SL)の火入れ]
多分、こうして報告してくれる人以外にも、同じようにドブレ700SLを導入している人は多いと思う。私がブログで700SLのことを書いてから、メトスでのこの機種の売り上げが倍増していることからも、隠れ700SLユーザーが増えていることは間違えない。その前にはネット上で700SLの情報を見つけることはほとんどできなかった。こんな高性能で素晴らしい薪ストーブが知られてないのは「なんだかな」という気持ちで、はじめたブログだったけど、その点では、現在は一定の成果が出てきたと思う。
しかし、ユーザーが増えるに従って、せっかくの高性能な薪ストーブなのに、本来の能力を生かしきれていないケースも出てきていると思う。燃費に納得いかないまま、あるいは気づかないまま使っているユーザーがいるのは不本意なので、700SLユーザーに対して、ここで一つ、私から重要なチェックポイントをお伝えしたい。
今では700SLも通販でも買えるくらいだから、多くの販売店でもこの機種の取り扱いをしているけど、この機種のことをあまり知らない薪ストーブ販売店から購入した場合に、重要かつ適切なアドバイスを得られていないケースが多い。販売店に相談しても「こんなものですよ」で終わってしまうかもしれないので、この点に関しては、直接メトスに問い合わせた方が良いかもしれない。そもそも販売店のスタッフが自分で自宅で焚いたことがない限りは、ユーザー宅で「火入れ式」と称して軽く焚きつけだけ行ったくらいでは把握できないようなポイントなのだ。
まずは灰受け室の扉のガスケット潰れを点検しよう!
700SL灰受け室の扉のガスケット潰れ
最近のロットでは新品でも、灰受け室の扉のハンドル側(左側)、上の写真だと右側のガスケットが潰れきっているものが多い。ここが潰れて固まっていると、ここから空気が漏れて一次燃焼の空気調整を絞っても空気が流入し続けてしまって、薪が燃え過ぎて燃費が悪くなってしまうし、オーロラのような炎を楽しめなくなる。ガスケットをパッと見ると潰れてはいても、綺麗だし、何の問題もないように思ってしまうだろう。しかし十分に温度が上がって、一次燃焼、二次燃焼の空気を絞った時に炉内の炎が暗くなって「消えちゃう?」みたいな状態にならない場合には、このガスケット潰れ部分からエアが流入していると判断しよう。
この場合迷わず、ガツンとメトスにクレームを入れよう。「川原のブログで知った」と伝えれば話は早い。販売店に相談しても良いけど、使ったことがないと理解できないで「そんなものですよ」で終わってしまうケースもあるかもしれないし、もしきちんとガスケット交換の対応をしてくれる販売店があったとしてもそこで止まってしまって、メトスに「不具合がこれだけ起きている」という情報が伝わらないので、ユーザーから直接声を入れた方が良いと思う。
この症状、私の使っている700SLでも起きていたし、アース・リー山武店で導入した複数のお客様のところでも起きていた。そしてブログ仲間のmakiwariさんのところでも同様だった。あまりに多いので、メトスに直接「こういう不具合が起きているから対応して」と伝えたけど「気密テストしたけど問題ない」という回答で、いまだに改善されてないようだ。本来、ガスケットが潰れることによって気密を保ってるのだけど、メーカーで生産してから出荷までの在庫期間が長かったりすると、ユーザーのところに届いた新品のうちにガスケットの寿命が終わってしまっているのだろう。メーカー、輸入代理店も「どうせ消耗品で定期交換するパーツだから」とあまり深く考えてないようだ。でもユーザーにとっては新品の薪ストーブなわけで、最初から不具合があるのも気分悪い。
ガスケット交換のやり方そのものは簡単で、誰でもできるようなものだ。
綺麗で使えそうでも、潰れていたら交換してみよう
ワイヤーブラシでこする
皮すきで削る
ハケで粉を落とす
テープで抑えつつ、貼っていく
クレームを入れて交換キットを送ってもらえば、わざわざ薪ストーブ屋さんを呼ばなくても自分でもできる。実際にmakiwariさんが自分でやったブログの記事があるので、それを参考にして欲しい。
このガスケット交換で劇的に燃え方が変わるし、燃費も変わるので、これからシーズンを迎えて焚き始める人は、一度点検して、問題があればすぐに交換して、本来の700SLの能力を発揮させて使おう。
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コメント

  1. サト☆ より:

    我家の700SLは灰受けとサイド扉の両方のガスケットがNGでしたよ。交換すると空気調整で炎が揺らめくようになりました。
    今は排気ダンパーも付けて燃費も良くなりました。

  2. かわはら より:

    サト☆さま:
    新品時からいきなりガスケットNGとというのも何だかですけど、消耗部品と割り切って出荷しているみたいですから、仕方ないですねぇ。
    それにしても灰受け扉だけでなくサイド扉までNGだったのですね。
    でも、対策して結果が出るのもうれしいですよね。排気ダンパーの効果もあって、かなり燃費が良くなったことだと思います。

  3. ブログご紹介、有難うございます。
    しかし、やっぱり川原さん、すごいです。
    この記事を読んで早速、3日前に届いたばかりの700SLのガスケットをチェックしてみると、両サイドのガスケットが思いっきり潰れてました。どおりでオーロラ炎が出ない訳です。明日、メトスさんに連絡してみます。
    それにしても、このブログがある限り、700SLユーザーは、あらゆるトラブルに早期対応できて、大船に乗った気分でいられますね。700SLにして本当に良かった。
    有難うございます。

  4. かわはら より:

    屋久島遡行人さま
    こちらこそ、設置報告と素敵な炉壁を写真で見せていただいてありがとうございました。
    全ての販売店の方で深く700SLのことを把握しているとは限らないので、この機会に情報提供させていただきました。
    自分が関わっている案件なら自分の目でチェックしてアドバイスできますけど、そうでないケースの方が多いですからねぇ。
    素晴らしい高性能の薪ストーブなので、本来の能力を発揮させて、オーロラ炎を堪能しつつ、活用していただきたいです。

  5. M より:

    隠れ700SL愛好家です。
    今年設置した私のSL700もつぶれてますが、こんなもんだろうと諦めてました。
    ありがとうございます。

  6. かわはら より:

    Mさま:
    ガスケット交換するだけでも劇的に変化しますので、ぜひとも早期に交換してみて下さい。
    きっと本来の700SLの実力に感動すると思いますよ。

  7. 小平市(U條です) より:

    川原さん
    いつも拝読させていただいております。
    我が家もやはり同様の現象が見られました。
    これからメトスに連絡します。
    ほんと、川原さんのおかげです。ありがとうございます。

  8. かわはら より:

    本来のパーフェクトな状態で使っていただきたいですからね。今の時期に対策すれば、きっとこの冬に効果が体感できると思います。
    今後ともよろしくお願いします。

  9. chocobo より:

    かわはらさま
    いつも貴重な情報をありがとうございます。
    私の700SLもガスケットに潰れが確認され先日全てのガスケットを交換しました。
    交換後は焚きつけ前に扉を開閉すると気密の向上を実感できる状態になったのですが、焚き付けから天板(右肩前付近)の温度が80度を超えたあたりからサイド扉の気密が落ちてしまいます。
    鋳物の膨張によるものかと推測しておりますが、他のユーザーさんの700SLを拝見する機会がございませんので私の700SLだけの現象なのか判断できずにいます。
    川原さまの700SLはいかがでしょうか?

  10. かわはら より:

    chocoboさま:
    実際に見てみないと何とも言えないですけど、サイド扉の気密が温度上昇にともない落ちていくというのは、どういう状態で何をもっての判断なのでしょうか?言葉で説明するのは難しいと思いますが・・・。
    もし気になるようでしたら、少し太めのガスケットに交換すると改善するかもしれません。
    他の機種を見てみるのが一番ですよね。

  11. chocobo より:

    表現が難しいのですが
    焚き付け前にサイド扉を閉じた(ロックした)状態で扉を外側に引っ張ったり燃焼室方向に押したりしても一切ガタつきはないのですが、焚き付け後温度がある程度上昇した状態で試してみるとガタガタするのです。
    再び冷温状態で試してみるとガタつきがなくなります。
    現在8mmのガスケットを装着しているのですが、少し太い物に交換して様子を見てみようかと思います。
    ありがとうございました。

  12. かわはら より:

    chocoboさま:
    言葉で説明するのが難しい中、ありがとうございます。
    ちょうど我が家でも700SLが、なで肩部分で250℃の状態で巡航中なので確認してみたところ、ガタツキは感じられませんでした。
    ガスケットの交換とともに、開閉扉のヒンジの浮きも確認してみて下さい。もし浮いていたら、芋ねじを一度緩めてしっかりと下げてから、芋ねじをきっちり締めて下さい。