ネスターマーチンの弱点を克服するB-TOP仕様

ネスターマーチンは鋳物の外枠の内側に鉄板の箱が入っている二重構造で、その空間に燃焼用の空気を通してプリヒートさせている。そのために妖艶な炎が実現しているのだけど、どうしてもその構造上の制約から天板の温度が上がりにくい傾向にある。普通の使い方で天板の表面温度が180-200℃程度、頑張ってギンギンに焚いて何とか最終的に250℃までいくかいかないか程度だ。この状態で、天板でバリバリ料理をするのはちょっと厳しかった。
この問題を克服するために輸入元の京阪エンジニアリングは面白いパーツを開発した。それはB-TOPという名称で、バック-トップというものだそうだ。簡単に言うと、従来の天板の中央部分の煙突取り出し口に蓋をして、その蓋に集熱用のフィンを溶接して取り付けて、煙突に抜ける排気熱を回収してその蓋に導くというものだ。そして、煙突を背面出しして、すぐに上向きに折り曲げるエルボを本体裏面に固定するという仕様だ。これにより天板の蓋の丸い部分が350-400℃程度まで上がり、炒め物なども含めてバリバリ料理できるようになる。丸い鉄板部分で料理して、出来上がったら横の黒い鋳物部分に移動してウォーミングシェルフとして保温するというような使い方が可能だ。
B-TOPの蓋部分の集熱フィン
このように従来の煙突取り出し口に取り付けて、背面出しする
こんな感じで背面から煙突が出る形となる
これまで煙突に捨てていた熱を回収して室内側に放出するということになって、暖房能力も従来より向上するというメリットもある。
逆にデメリットとしては排気抵抗となるフィンが経路にできることで、もともと弱目のドラフトがさらに弱くなるという面もある。扉を開くと煙が室内側に漏れやすい傾向は出るだろう。それから背面にL字のエルボのユニットがつくので、そのスペース分だけ薪ストーブ本体が室内側へ前に出て設置スペースを要求するということにもなる。
これから新たにネスターマーチンを導入する人はこのB-TOP仕様を検討するのも面白いと思う。従来の仕様よりも約3万円増しで選択可能だ。「えー。もう従来仕様を入れちゃったよ。その仕様に変更したいな・・・」という場合にも、後からでも追加可能だ。部品代約3万円+工賃で対応できる。ネスターマーチンのS33,S43,H33,H43の4機種のみ設定されている。33シリーズが3万円、43シリーズが3万2千円の売価設定になっている。(43シリーズの方が蓋のサイズが大きいため)

かわはら薪ストーブは全国

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