今回のベルギーツアーでは、主にドブレの工場見学、そしてベルギーの薪ストーブ販売店の視察が主目的だった。実際に薪ストーブや暖炉が設置されている民家の訪問は予定に組み込まれていなかった。
そこで、私としてはぜひとも一般住宅を見てみたいと思った。幸い一日だけ自由行動できる日程があったので、レンタルサイクルを使って、郊外に足を伸ばしてみた。
ホテルや空港などでは英語が通じるけど、郊外に出るとさっぱりだ。人の住んでいる住宅で住民が出てきたところで「ハロー」と挨拶しても、基本はオランダ語なので、首を傾けられてしまうくらいだった。だから「家の中の暖房器具を見せてくれ」などの意思疎通が全くできそうにないことを悟った。
住民が中にいる住宅を覗くわけにもいかないし、下手に敷地に入って警察に通報されても厄介なことになるし、どうしたものかと思っていたら偶然にも「売り家」の看板を見つけた。当然、住民が住んでいないわけで、敷地には購入希望者を装って入っていけば、それほど不自然でもない。ラッキーなことに、その売り物件の中古住宅は、前の住民が住んでいた痕跡や家具がそのまま残っていた。
中央部分に大きなチムニーが目立つが、良く見ると右側にも煙突がある
裏に回ると、なんと正面から見えない棟の反対側にも煙突が二本立っていた
メインの巨大チムニーはリビングの暖炉に接続されていた
裏側のチムニーは個室暖炉に接続されていた
広い裏庭にはキャンピングカーとゲストハウスもあった
多分、これはベルギー郊外の典型的な一戸建てのパターンだろう。広い裏庭で近所の目を気にしないでガーデンパーティやバーベキューなどができる非常に豊かなライフスタイルを感じた。
このように一つの家に複数(この家は4つ)の煙突がついているのは、各部屋に暖炉が設置されているからということが、この実例からも理解できると思う。
暖炉は燃焼効率が良くないので、薪ストーブに入れ替えるパターンもあるだろう。この場合、設置されている一部屋分のみの暖房で良いということから、小型、コンパクト、縦型ストーブの需要があるのだろうと思った。