自家用の薪は自分でせっせと集めてきて斧とクサビで頑張って割っている。そして、かなりいい加減に作っているので、形もバラバラ。売り物にならないような変な形のもの、節の部分や曲がったもの、細いのから太いのまで様々だ。それに屋根もいいかげんに、廃材の波板を乗せてあるだけなので、割れたり穴が開いたりしている部分から雨が漏れて湿気がたまってキノコが生えているものもある。そんなのも気にしないで焚いてしまっている。先日、薪を買いに来たお客様に販売用のではなく自家用のものを売ったら、NG判定でクレームをもらってしまって、配達することになってしまった。今後は配達オンリーにした方が無難かもしれないと思った。
販売用の薪はさすがに自家用の薪のように作るわけにはいかない。ある程度の量も必要だし、それなりに形も整っていて、なおかつ綺麗で見栄えの良いものである必要がある。専業の薪屋さんとして動くなら、自分で作業するけれども、メインは薪ストーブ屋(薪ストーブの取り付け、販売、施工、コンサル)なので、薪の生産に労力や時間を注ぎ込むことは難しい。
そこで造園業者さんと提携して、薪作りしてもらっている。現場で伐採してきた樫、楢、ケヤキ、桜などの広葉樹を選別して、玉切り作業後、巻き割り機で割って、薪棚で2年間したものを仕入れて販売している。薪作りの作業は造園屋さんが本業の仕事の合間に行ってくれている。社員がやることなくて暇になってしまわないように、そういう時の作業として確保してあるのだ。伐採してきて原木を放置して腐らせてしまわないように、販売していくらかの売り上げになれば良いという考え方で薪作りをはじめたそうだ。その造園屋さんの直のユーザーもいるけれども、作った分を全て売るほどではないので、お互いのメリットが一致して提携したのだ。
最初はそこの造園屋さんの直のユーザーの一部の声で、極太の薪と細い薪を量産していたけれども、私と提携してからは私の声を取り入れてくれて、基本は腕の太さくらいの中割りにしてもらった。このくらいの薪が一番バランスが取れているからだ。炎も綺麗だし、火持ちもそこそこ良いのだ。あまり太いものは、熾き火が大量にある時の寝る前の最終投入には良いけど、汎用性がないのでごく一部(全体の1割程度)にしてもらった。そして全て同じ太さではなくて細めのもの1割、メインの中割8割、太め1割というバランスで、トータルでの使い勝手を重視している。
色白の綺麗な薪にするには雨に当たらないことが重要だ。そのため大きな屋根でひさしが出ていて、雨が当たりにくい薪棚になっている。地面からも十分に浮かして湿気や水はねの影響をなるべく受けないようにしている。薪棚にお金をかけすぎないように、単管パイプ、鉄メッシュ、トタン屋根とローコストで作成している。
一つの薪棚で乾燥重量で10トン(20立米)となっている。この薪棚が5つで、全部で50トンの在庫量だ。しかし、これは2年分&私と造園屋さんの2社分なので実質1シーズン私が売れる量は12t程度だ。この量だと毎年常連さんへの販売でほぼ完売してしまっている。本当はもっと注文をもらっていて、現状は断っている状況なので、もし、「お小遣い稼ぎに薪を売りたい」という人がいたら、仕入れさせて下さい。(メール送信フォームから連絡下さい)
車、横付け可能な10トン薪棚が5つ。原木→玉切り→薪割り→積み込みと一連の作業をスムーズにできる配置
薪割り機で割っている
コンクリートブロックの基礎、単管パイプ、トタン波板、鉄のメッシュの単純な構造
(ちなみに今シーズン販売の在庫残はこれだけ。既に予約分で完売状態)
一列2トン×5で10トンの収容量
作成時期のラベル
このように、現状でできる限りのことはしているけれども、いくつか難点もある。
1.コンテナではなく手積み手降ろしなので、出荷する時に手間と時間がかかる
2.薪棚の位置によって日当たりが違うので年度によって乾燥度合いが違う
3.10トン収納の薪棚なので、表面は乾燥度合いが良いけど、中は風通しが悪く乾燥度合いがイマイチ
4.そのため、ロットによってかなり乾燥度合いが違う(ちなみに今シーズン出荷分は最悪)
11月20日(昨日)のデータ
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コメント
こうやって作られて(割って積んで乾かして)るんですね。
「1列×5で乾くんですか?」と思ったらやはり,中の方は乾きにくいですか。
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キレイな薪,ちゃんと棚作って雨除けがあれば良いんですね。
いつかはちゃんとした薪棚作りたいです!
かわはらさんが「困ったな~」な記事は滅多に見る事は有りませんが、其れにしても困ったレベルが自分とは違いすぎます。
今年は春先から夏場に掛けて、中割りに割ってからずっと雨ざらしな奴を
後半からは焚く事に成りそうです。
売り物では無く見掛けは気にしないで済むので、其処は気楽に試してみましたが
出来れば二年物を焚ける様にしないとですね~
とっちさま:
自家用の薪だったら見た目を気にしなければ、多少雨が当たっても良いのですけどね。
綺麗な薪にするには、それなりの工夫が必要ですねぇ。
私は見た目が良くて乾燥イマイチの薪より、見た目が悪くて乾燥している薪の方がうれしいですが、普通の人は逆ですからねぇ。
いずみさま:
販売用の薪に関しては、ホントに困ってます。品切れ状態で、購入希望者にお断りしている状況です。
焚く直前の1ヶ月くらいでも良いので雨の当たらない風通しの良いところで待機させておくだけでも、だいぶ違うと思います。
きちんと乾燥した2年モノを焚くと、それまでとは薪ストーブに対するイメージが変わると思います。
あっという間に寒くなり絶好のシーズンが到来!
ここ数年連続の寒波で良い薪が市場でも無いようですが、カワハラさんとこもですか!
私もストーブを導入してから早い物でもう御蔭さまで2年半が経ち「まるで火が違う!」
事実に今年は大喜びしています。
オーロラ一杯が常に出るし、暖かさが
F400じゃなくて一段上のF500クラスに変身したような気分になります。
ダンパー効果もあるんでしょうが薪の乾燥による恩恵が大でしょう。
今度入れる予定の東京分はカワハラさんの理想薪を購入しようと思っていたのに残念無念。
うさぎさま:
需要に見合うだけどの供給ができれば良いのですが、なかなか難しいですねぇ。
薪ストーブの機種の差よりも、薪の方が重要かもしないです。