これまで、かわはら薪ストーブ本舗のショールームでは、ネスターマーチンのS33とドブレ700SLの二台を同時に焚ける状態だった。
プロトタイプの室内用のロケットストーブを製作してからは、そのテストの度に、ネスターマーチンをどかして、入れ替えていた。テストは一時的なものなで、改良点を見つけたらすぐに撤去して、構造をバラして改良するということを繰り返していたので、それでも良かった。しかし200キロ近い重量物を移動して、煙突配管を差し替えるのは、ちょっと面倒だった。
改良点を洗い出すテストが終わって実戦投入できる状況になったので、そういう入れ替え作業なしに、三台同時に焚けるようにしてみた。
先日、薪の配達に行った時に、不要になったシングル管のTをもらったので、それを使って煙突配管を分岐した。本体の入れ替えや配管の差し替えなしで、気の向いた時にいつでも使えるメリットは大きい。プロトタイプのロケットストーブは、普通の薪ストーブとは違って、ヒートライザーで上がった炎を、ヒートライザーの外側のカバーでダウンドラフトさせている構造のために、炎が直接煙突に当たらず、排気温度が150-200℃程度までしか上がらない。だからアルミのフレキダクトでもイケてしまうのだ。あり合わせの材料で作ったワイルドな煙突配管だけど、これでも特に問題はない。
今後、燃焼できるデモ機を増やす可能性もあるので、その時にはその新たな機種と同じ煙突配管経路で、きちんと設置しようと思っている。
今シーズン、寒くなってきたけど、最近火を入れるのはこのプロトタイプの室内用ロケットストーブばかりだ。ネスターマーチンとかドブレを使う気がしなくなるほどの高性能ぶりで、使い勝手が非常に良いのだ。短時間で立ち上がるし、燃費も良いし、料理にフル活用できて、実用性が一番なのだ。おまけに炎も綺麗で、無骨なデザイン以外は言うことなし状態なのだ。
炉内で二次燃焼のゆっくりしたオーロラ炎が楽しめる
コメント
1台予約注文をしておいてください。
まだお値段を聞いて無かったな-
ナラさま:
これはプロトタイプなので、市販バージョンができたら、値段も含めてご案内します。
カワハラ様
①横出しした場合を想定した煙突の長さ?
②プロトタイプ大体の出力(定格)
③本体内スス掃除必要性の有無
④想定価格
以上の点で興味あります。
うさぎさま:
横引きは2メートルくらいまでだったら大丈夫そうです。
出力は市販モデルの際には測定できたらと思っています。ドブレやネスターマーチンと比較しても遜色ないレベルだと思います。(しっかりと、それら以上に早く暖まりますので)
本体内の煤は分解することによって掃除も可能な設計ですが必須ではないです。
値段はプロトタイプの段階ですので、まだ、これからの検討事項です。市販モデルの設計図を作って試作して積算しないと何とも言えません。
室内ロケット興味深く拝見させていただいています。
さて、僭越ながら、ロケットストーブの論理からすると、ヒートライザーのドラフトと外側のダウンドラフトで、燃焼を促進し、物理的に煙を押し出しているのですから、煙突のドラフトは燃焼に関係ないので、横引きの長さは関係ないのではないでしょうか?むしろ煙突を引きまわして床暖房に使ったりしてますよね?また、ダウンドラフトは煙が冷えて下方向に向かう現象ですので、「排気温度が150-200℃程度までしか上がらない」ではなく正しくは「150-200℃に下がっている」がただし表現と思いますがいかがでしょうか?
f650さま:
色々実験しましたが、現実は理論どおりにいかないです。横引き、ドラフトの量、多いに関係あります。全然燃焼状態が違います。
排気温度の「上がらない」「下がっている」に関しては、文脈上の趣旨を読み取っていただければ、そうはならないと思います。アルミが溶ける温度にはならないという意味合いで用いています。(炎が直接当たるところでアルミフレキを使って溶かした経験がありますので、アルミを使えるところ、使えないところを示したのです)
以前に説明会や講習会に参加させていただきブログブラスαの勉強ができたことを覚えています。薪ストーブもまだ初心者でロケットストーブも良く知りませんがものを作るということに興味があります。見学会やっていただけたらぜひ参加したいです。
ご丁寧にありがとうございます。
煙突のドラフトで引っ張っているということはヒートライザーのドラフトはそんなに強くないということでしょう。いわゆるロケットと一般的なストーブのいいとこどり?でしょうかね?
awa2さま:
現在のものはプロトタイプですので、生産モデルの試作機ができたら、見学会を実施したいと思います。
それまでは個別に対応します。
f650さま:
焚きつけ後15分でヤカンのお湯をボコボコ沸騰させる程度なので、それを弱いと受け取るか、強いと受け取るかは人それぞれだと思いますが、私は「強い」と思っています。
ヒートライザーはカバーをかけてしまうと、横引きしても無理やり押し出すほどのドラフトではありません。
これまでの実験の結果からロケットストーブ神話というか伝説は間違えだと思っています。そこまで要求するのならば「弱い」ということになりますね。
おっしゃる通り、普通の薪ストーブとロケットストーブの良いこ取りをしたハイブリッドタイプです。
プリウスが爆発的に日本で売れているように、そういうポテンシャルを秘めた性能を感じています。
よくわかりました。
室内を引きまわしているような場合は結構微妙なバランスの上に成り立っているという事で、ヒートライザーもドラフトが強くなるように設計されているということですね。
その場合は広い炉内とか、オーブンとかは無理?それではコンセプトから外れてしまいますね。
f650さま:
おっしゃる通りだと思います。
ドラム缶くらいの巨大なヒートライザーにすれば、それなりに強いドラフトになるかもしれないですけど、薪ストーブにそれを組み込むとなると大型の冷蔵庫くらいのサイズになってしまって、果たしてそれが商品として成立するかと考えると無理がありますよね。
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山野 夕記子さま;
この記事で紹介した物はプロトタイプで市販品ではありません。
現在においては私も開発、改良に関わった「ヒミエルストーブ」が製品として販売されていますので、そちらのサイトをご参照下さい。
https://himielstove.com/