ハンター薪ストーブの温度管理のコツ

鋼鈑製のハンター薪ストーブは素早い立ち上がりで、表面の温度が短時間で高温になる。炊き付け後にガンガン焚いている時には炎の流出経路の煙突左右の天板の後部は平気で500℃近くに達するが、それにビビって空気を絞ってはいけない。
まずは薪ストーブの炉内全体をしっかり高温にして、二次燃焼する温度域まで上げなくてはならない。慣れてくると熾き火の量や炎の状態で解ってくるが、初心者のうちはきちんと温度を計測した方が良いと思う。
簡易的なバイメタルの温度計もアリなのだけど、ばらつきが大きく、そもそも精度があまり良くない外れの製品も多いので、放射温度計をゲットすることをお勧めする。

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これで各部の温度をリアルタイムで計測すると、薪ストーブの特徴が良く理解できる。天板の後部の一番温度の高い部分で500℃の時に、前面の一番低い部分で150℃くらいしかないことも理解できるだろう。同じ瞬間に150℃の部分から500℃の部分まであるということをまず、認識しよう。つまり、どこで温度を測定するかによって、判断基準が全然違うのだ。一概に「何度になったら空気を絞る」と言えないわけだ。
具体的に、かわはら薪ストーブ本舗のデモ機として使っているハンターの一番小さいモデルの「ヘラルド8」の場合で実例で紹介しよう。
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煙突左右の口元付近は400℃近い
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安定燃焼して綺麗なオーロラ状態になっている状態
取り外し可能なバッフル板の全部に固定されているバッフルがあって、その上部でプリヒートされたエアカーテンが噴出しする二重構造になっている。そのため、天板の前面はガンガン焚いても温度が上がらない。
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温度計を置いた部分の温度計の前面で200℃
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温度計を置いた部分の中心点で250℃
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温度計を置いた部分の後ろ面で300℃
バイメタルの温度計の直径わずか6センチの間でも100℃温度が違うということなのだ。つまり計測する位置が3センチずれただけで50℃温度が違うわけで、ミリ単位で計測位置を考慮しないと、他と比較したりする一般化した話ができないのだ。
ハンターの場合はヘラルド8、ヘラルド14、イングルヌックと3種類の大きさのラインナップとなっている。それぞれ天板のサイズが違うので一概に口元から何ミリのところで計測すれば良いとも言えない。もちろん、それぞれのモデルごとに最適な温度の測定位置があるわけだ。そういうノウハウも実際に使い込んでいる代理店で購入すれば設置後のレクチャーの際に得られるが、単純に取り寄せるだけのショップから購入すると「火入れ式」と称する焚きつけでお茶を濁されて終わりになる。
こういう本当の意味での使いこなしのコツは取り扱い説明書にも書かれていないし、ネットで情報を得るのも限界がある。どこで買ってもそれほど極端に値段が違うわけではないので、同じお金を払うならばノウハウも提供してくれるところで購入したい。
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コメント

  1. かなパパ より:

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    やはり鋼板製のストーブはそのくらいまで上げないといけないのですね。
    (^_^;)
    前面のバッフル板にそんな機能があったとは驚きです。
    単純に吹き下ろしてるだけだと思っていました。

  2. かわはら より:

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    かなパパさま:
    きちんと温度を上げないと、安定して二次燃焼してくれないですからねぇ。
    前面バッフル板が、エアカーテンのプレヒート室になっているというのはハンター独自の凄い構造だと思います。

  3. より:

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    ハンターストーブは今まであまり名前を知らないメーカーでしたが優れ物ですか。
    炉内温度管理は安定燃焼すれば炎がとても良いし前面ガラスの曇りも無い状態に保てる訳が分かりました。
    プリヒート室にもバッフル板が効果的な構造ということは前面ガラスが汚れずらい事ともしかしたら関係しているのでしょうか?

  4. かわはら より:

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    楢さま:
    あまり知られてないけど優れた製品を発掘できたと思っています。
    ガラスが煤け難いのは、強力にプレヒートして吹き付ける構造だからだと思います。この点はドブレ700SLと良く似ています。

  5. 山口透 より:

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     エアカーテンの温度が低いとガラス面に煤が発生しそうな気は確かにするのですが、実際には、エアカーテンの空気流設計がいいかどうかでほとんどきまると言う事はありませんか?
     実例をみてみると、2300もシーズン通して一回もガラスクリーナや灰は要りませんが、焚きつけ初期の段階から煤の付着する様子は全くありません。逆に煤けやすいネスターマーチンは2重ガラスや断熱ガラス採用してまで、ガラス面温度維持に気を使っています。
     また、吹きつけの流量が多いと煤けにくい方向であるのは間違いないと思いますが、これも量より流れ方にあるように感じられます。

  6. かわはら より:

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    山口透さま:
    量、流れ方、温度の全ての要素が複雑に絡んでいるというのが正解だと思います。
    どれか一つだけではないですね。