煙突工事や薪ストーブ設置を常日頃行っているの薪ストーブ屋の私としては、精度の高い国産の煙突は、作業性が良く、着脱も容易でメンテンナンスに優れているので、これまで基本的に、ほぼ国産を使ってきた。「ほぼ」というのは施主さんからの指定がない限りという意味で、比率にしたら99%以上だ。価格は輸入品と同じくらいなので、輸入経費が掛かってない分だけ、品質にコストをかけているので、高品質で安心して使えるのだ。ごく稀に中国製やイギリス製、カナダ製などの煙突を指定する施主さんがいるので、そういう機会に海外製の煙突の触れる度に、国産の良さを身にしみて実感する。
これまで、国産の二重断熱煙突のメーカーと言えば高木工業所の一択(※)で、他の選択肢がなかった。
※ホンマ製作所の煙突を「国産」と思っている人も多いようだけど、これは中国製だ
しかし、昨年の終盤に新宮商行からも新発売されて選択肢が増えた。早速、現物を見学してきたので、紹介しよう。
生産体制や売り出し準備が整った段階の今年から積極的に広告宣伝、告知、売り出しも本格的に行われてくるだろう。ちなみに、現時点では、まだ、新宮商行のウェブサイトにはこの情報が掲載されていない。
Made in Japanを売りにしたラベルでネーミングに「匠(たくみ)」も含まれていて精度や品質の高さを想像させる
箱から出した製品
コネクター部分はプレスで切り欠きなしのため、断熱材への雨水の流入リスクがない(高木同様)
ジョイント部分のクロースアップ
溶接跡は高木同様にほとんど目立たないで綺麗だ。塗装が高木がつや消し黒に対して、新宮はつや有りグレー微妙なざらつき有の仕様で、手垢や汚れが目立たない。
ここに幅広のロッキングバンドを取りつけて固定(高木より作業性が良い)
さすがに後発だけあって、高木の煙突を良く研究していて、商品力、競争力を高めているのが感じられた。(価格設定は高木とほぼ同じ)
パッと見ですぐ判る大きな違いは上に書いた通りだけど、他にも外径が微妙に違うとか、インナー管の組成が若干違うとか設計上、スペック上の違いがあるが、薪ストーブの煙突として使う場合の実用上は、それらは大きな問題ではないだろう。
国産煙突一択の時代には競争原理が働かなかったけど、これからは二択になるので性能や価格のさらなる向上が期待できる。高木も新宮も頑張って、より良い商品をより安く提供できるように切磋琢磨して欲しい。
国産煙突を売りにしている施工店は多くはないが、機会があれば実際に現物を手に取って見比べて欲しい。そして、薪ストーブの機種だけでなく煙突のブランドまで消費者が指定してくれる時代が到来するようになるとうれしい。ちなみに、かわはら薪ストーブ本舗でも、これからは、どちらのブランドでいくか、お客様に確認することにする。
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コメント
さすがモルソーを輸入してきた新宮商工!高木製(ヨツール、メトス)と同品質の高性能国産煙突を出したんですね。これからは薪ストーブも多くの日本ブランドがあります。そうした時代に薪ストーブユーザーが煙突にせよ、薪ストーブにせよ、それを選ぶ基準として20年使用することを考慮すると部品ストックや販売店との関係などメーカー企業が総合的に持続可能な体力、財務力、経営者の薪ストーブへの信念、愛情などの有無を判断して決めることも長い目ではハッピーになるかなー! クルマも消えるメーカーがこの先の20年ではありそうですし、薪ストーブメーカーも同じように淘汰されてくるわね。
薪ストーブの平均使用年数(煙突も合わせて)は最低10~20年! 住宅はもう60年時代ですね。そういえば消えた自動車メーカーで思い出しました。ヨーロッパのサーブ(スゥエーデン)、イギリスのローバー、イタリヤのなんとかも倒産して今や部品ストックもないので、あっという間に日本市場からディーラーもクルマも見なく無くなりました!
薪よう子さま:
おっしゃる通りで、将来のことまで見越して商品を選択すると良いですね。
車にたとえるとわかりやすいですねぇ。