薪とペレットのハイブリッドモデルのアキミックスはハイブリッドモデルならではの使い方にコツがある。
ペレットを燃焼ポッドの中で、きちんと燃やさないと、供給過剰になって、供給ダクトの中でペレットが詰まって、その状態のところに無理やりモーターで燃料を送り込むことになるので、ペレットの粒が圧縮されて、圧力がかかり、やがて粉体になって、固まってしまうのだ。そのため、ペレット供給用のモーターが動かなくなってしまうという症状が起きる。
以下は、製品付属の、取り扱い説明書には詳しくは書かれてないが、アキミックスを使う場合には、とても重要なノウハウなので、紹介しておこう。
【ペレットの焚きつけ時】
ペレットだけで焚く場合は、薪よりも火力がだいぶ弱いので、その分だけ煙突ドラフトも弱い。特に焚きつけ直後にその傾向があるので、最初からペレット燃料の供給ダイヤルを多く燃料を送るように設定してしまうと、十分に燃えないまま次の燃料が落ちてきて不完全燃焼して、燃料が燃えきれずに、最終的に詰まってしまう。
そのため、焚きつけ直後はペレットの量のダイヤルを【最小】にして、場合によっては供給を【切】にして止めるくらいにして、完全に燃焼ポッドに落ちたペレットが燃える状態にダイヤルを調整してやると良い。そして燃焼状態に応じて、少しづつ様子を見ながらペレットの供給量を調整する。
【薪との併用時】
ある程度火力が強くなってくると、少量の薪とペレットを併用して、同時に炉内で燃やすことも可能だけど、この場合に、灰がロストル下部の燃焼ポッド部分に積もっていき、燃焼ポッドの空気穴が詰まってしまう傾向がある。ペレットを燃やす場合には燃焼ポッドにある穴からの空気供給が必須なので、灰で穴が詰まるとペレットが不完全燃焼してしまう。燃えきらないペレットが供給ダクト内で詰まってしまう。
薪を燃やす時(投入時)には、その都度、必ず燃焼ポッドに積もった灰を除去してやる。薪の投入は無造作に行わず、燃焼ポッドに灰が落ちないような薪の立てかけ方、位置、向きを考えて、工夫して炉内に投入すると良い。
もし大量に薪を投入する場合には、純粋な薪ストーブとして使用して、ペレットの供給を停止してしまった方が良い。
【薪併用時でもペレットでも共通】
薪ストーブの底面に一次燃焼用空気の調整レバーがある。薪だけを使う時には焚きつけ時には全開で、温度が上がったら必要に応じて空気を絞っても良いが、ペレット使用時、薪との併用時には一時燃焼用空気は常に全開にする。
上記の使い方をしていれば、基本的にはペレットがつまることはないけれども、使用状況によっては、炉内の燃焼環境に対してペレットの供給が過剰になり、詰まってしまうこともある。万一、詰まった場合の処理方法を紹介する。
【ペレットが詰まってモーターが動かない場合の対処方法】
いくら電源を入れ直しても、スイッチをオンオフしても、ダイヤルを回してみても、根本的な原因を解消しない限りは解決しない。面倒でも以下の処置をすれば復旧する。
1.炉内の灰を除去
2.ロストル(燃焼ポッド)を撤去して下部の作業スペースを確保
3.バーベキュー用の金串をペレット供給ダクトへ突っついて、一番奥で固まって粉になっているペレットを落としてやる
何度か繰り返し、突っついていると、最初のうちは固着したペレットの粉が砕かれて落ちてきて、やがて普通のペレットが落ちてくるようになる。そうなったら詰まりが解消したと判断できる。スイッチを入れて、ペレット供給ダイヤルを回して、少し待つと、正常にペレットが落ちてくるのが確認できるはずだ。
ロストル(燃焼ポッド)を外す
この穴が詰まると、不完全燃焼して、ペレット燃料の供給過剰で、詰まりの原因となる。
市販のBBQ用の金串で供給ダクトの奥を突っつく
粉になって固まって、詰まったペレットが落ちてくる
薪とペレットのハイブリッドモデルなので、どちらか一方の燃料のみを使っている時には、あまり問題は起きないけど、併用している場合には、ちょっとしたコツを知っていると、このようなメンテをしないでも、快適に使い続けることができる。
薪とペレットのハイブリッドモデルのアキミックスは、まだそれほど数が多く出回っているわけではないので、ネット上でこのような詳細の使いこなし情報も出てないので、この機会に公開しておく。
このアキミックスは「薪集めが大変」「将来的に薪作りできなくなったら不安」という場合でも、薪もペレットも両方焚ける特徴ある機種なので、お勧めできるのだ。
特に薪ストーブの場合には、夜から朝までずっと炎を立てて燃やし続けるというのが難しいけど、アキミックスならば、日中の人が薪をくべることができる時は薪ストーブとして使って、就寝時は燃料を自動供給できるペレットストーブとして使えば、24時間炉内に炎が立っていて、「朝になってもしっかり暖かい」ということが無理なくできる。
かわはら薪ストーブ本舗でも、アキミックスの実機を展示しているので、ご来店いただければ、そのサイズ感、質感などをチェックできる。冬季であれば、実際に当店で設置して、稼働しているテイクアウト基本の料理屋、カフェが軽井沢にあるので、案内する。
この機種に限らず、他のどの機種でも、取り扱説明書には書かれてない使いこなしのノウハウが存在する。本来であれば、メーカーの取り扱い説明書にそこまで書かれていれば良いのだけど、そうでないのが現実なのだ。このように取り扱い説明書には掲載されていない、使いこなしのノウハウまで含めて説明できる販売店で施工することをお勧めする。
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