【裏話】品質重視か、利益重視か

これまで、かわはら薪ストーブ本舗では、ほぼ100パーセント高品質な国産の二重断熱煙突を使って施工してきた。品質が良いぶん、仕入れ価格も高いので、正直、利益はあまり大きくはない。
一方で中国製の二重断熱煙突は、品質面を妥協した分だけ、仕入れ価格が激安なのだ。国産でも中国製でも定価設定は似たようなものなので、同じ値引き率を適用すれば、国産煙突を使った場合と比較したら、はるかに大きな利益となる。
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メーカーや生産国によって大きくコネクターの形状が違う
たとえば、よくある価格帯で、薪ストーブ設置工事の費用が100万円コースだとした場合、薪ストーブ本体40万、煙突代40万円、工事代20万円くらいが内訳の大まかな相場であろう。
煙突の小売価格が税込み40万円だとしたときに、国産煙突で2割の利益だったら8万円だけど、中国煙突であれば4割の利益が取れるので16万円になる。一現場あたりで8万円の違いなので、年間20棟工事したら160万円も積み上げる金額が違う。要するに、国産を使うか、中国製を使うかで、年間160万円の利益の違いが出てくるわけだ。また、利益を同じように設定した場合には、値引き率を、大幅に上げて工事代を安くして他店との価格競争に勝つように設定することもできるわけだ。国産、中国製と違うけど、「二重断熱煙突」という名目は同じなので、見積りが10万円安いとなると、値段だけ見るお客さんには訴求力が高い。こうして考えると、中国製の煙突を使って工事する施工店が多いのも、当然だと思う。
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国産煙突の一例
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中国製煙突の一例
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イギリス製煙突の一例
かわはら薪ストーブ本舗 北軽井沢店では、各国製の実物を展示してあるので、こういう写真だけでなく実際に手に触れてもらうと、誰にでも違いが体感できると思う。興味のある人は見に来て欲しい。
値段の違いがあるのは理由があって、品質が明らかに違う。実際に手にとって施工している立場だと、身に染みて違いを感じてしまう。ユーザーの立場だと、接続してしまえば、ただの黒い筒で変わりはないように思っている人が多いけど、現実には「そもそも接続、着脱に苦労する」「コネクターの構造上雨漏れする」「強度不足で強風で外れる」などの不具合の有無として、明らかな違いがある。
それを解っていても「利益(あるいは低価格)重視で短期的視野で中国製を使う」という判断もあるだろう。また「トラブルが発生したら信用を失ったり自分の首をしめることになるので、薄利でも高品質な国産を使う」という判断もあるだろう。
私のところにも、最近「とにかく安くやってくれ」「あと10万円値引きしてくれ」みたいな案件も入ってくるようになった。この場合は、ボランティアではないので利益を削ってまでは国産煙突を使っての工事できないので、原価の安い中国製煙突を使わざるを得ない。この場合は必ず、「安いけど、こういうデメリットがある」と伝えて、それを納得してもらってから、受けるようにしている。
価格が違う場合には、内容や品質が違うというのは、誰でも判ることだと思う。単純に見積を各社から取って、値段だけ比較して安いところでと考えて決定すると、品質面での違いで、後になって(10年後くらいに)色々と困ることも想定されるので、これから薪ストーブ設置工事を考えている人は、気をつけて欲しい。
どちらの道を選ぶかは、販売店、そしてユーザーの自己責任となる。薪ストーブ本体の値段はと品質は、基本的は大きな違いはないけど、煙突に関しては、ユーザーが考えている以上に極めて大きい。「激安」を謳う薪ストーブショップも最近は多くなってきたけど、その値段の裏には、必ず理由があることを認識して欲しい。
煙突は薪ストーブ本体以上に重要なパーツなのだ。

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コメント

  1. うぉめ より:

    国産2重煙突をストーブのつなぎめから、見積もりしてもらい、施工してもらいました。もちろん値引なんか考えませんでした。さすが国産煙突。値段以上の性能と見た目で快適な冬を過ごしてます。ストーブは640WDです。

  2. かわはら より:

    うぉめさま:
    とても良い組み合わせで、満足度が高いと思います。