昨年、発刊されて、重版となり、今回で第3刷。
ノルウェーの伝統的な薪焚きの技術とスローライフの哲学を紹介する本だ。
世界15か国で翻訳、50万部超のベストセラー。異例の薪ノンフィクションが日本語翻訳され、発刊された。英“The Bookseller”誌2016年最優秀ノンフィクション大賞受賞。
煙突が必須な条例があるくらい暖炉や薪ストーブが生活に根付いているノルウェー。
そんなノルウェーの薪事情がよく分かるとともに、「薪の教科書」としても、そしてノルウェー人の自然との関わりや、薪への並々ならぬ愛情が伝わってくる本だ。
ノルウェーの薪ストーブメーカーの、ヨツール社の取組みも書かれている。
ノンフィクションでありながら、小説のようで読み応えがある。是非とも薪ストーブユーザーに読んでいただきたい1冊だ。
『薪を焚く』ラーシュ・ミッティング著/朝田千惠訳/晶文社
以前のこのブログでのコメントでも紹介された通りで、薪ストーブユーザーの間でも話題となり、ノルウェーの作家が薪焚きの知恵と技をまとめた実用書だ。木の伐採方法、道具選び、乾燥の仕方や薪棚の作り方、大気汚染を最小限にする燃やし方まで、薪にまつわるあれこれがデータも交えて記されている。
ノルウェーは国土の 3 分の 1 が北極圏で冬は氷点下が当たり前。エネルギーはほぼ水力で賄われ、天然ガスや石油を輸入した得た売上は年金用に国が積立てている。住宅の暖房燃料の 25%が薪で、その半分は個人が作っている国。世界的にも排ガス規制が厳しいが、環境への関心が他国より高かったわけではない。
意識を転換させたのは、排ガスや微粒子として排出されるものを再燃焼させるヨツール社のクリーンバーンシステムの開発から。1998 年に国が買い替えを義務付けたことで劇的に薪焚きの環境は改善され、伝統的な暮らしが見直されている。1976 年から現在までに薪の消費量が10倍になったということだ。
ちなみに訳者の朝田さんは、同書に書かれている薪割りなどの全作業を行い、著者の気持ちに寄り添って書き上げたということだ。
【煙の出ない火はない? 本書抜粋 1】
ヨツール社は世界中でストーブを販売しているノルウェーのストーブメーカーだが、1960年代にはすでに、現在「クリーンバーン方式」と知られるストーブの試作品を完成させていた。
国の後押しもあって、このストーブの開発と販売の両方が急速に進んだ。1998 年、ノルウェーは新しく設置するストーブは全てクリーンバーン方式とすることを義務付け、今なお世界的に見ても非常に厳しい排ガス規制を持つ国となった。
【決して乾燥しない薪 本書抜粋 2】
広葉樹の原木は伐採直後の乾燥が悪いと、速やかに乾燥させた原木ほどには含水率が下がらないことが明らかになった。
乾燥が始まらず、水分がずっと原木に残ったままだと自然の廃朽プロセスが始まる。【毎日新聞コラム】
世界の片隅から、本物の情熱を爆発的に表現すれば、文化的には遠く離れた場所にいる人々も好感をもって受け入れる。この本の売れ行きがそれを証明している。
【↓ 一日一回、毎回、訪問のしるしにポチっと下のアイコン(バナー)をクリック(タップ)して応援いただけると幸いです。一週間の累計クリック(タップ)数がブログ村ランキングの順位(INポイント)に反映しています 】
にほんブログ村
コメント
ご紹介いただいて嬉しいです。こういういい書籍は読むべき人の手に渡るように広めたくなるものです。
ストーブの炎の前でのんびりこういう良書を読んで過ごしたいですね。
SCAN CI 10 GLユーザー さま:
タイミング良くコメントいただいた時に、記事して紹介する価値のある本だと思いました。
それが、良い過ごし方ですよね。
部数少ないせいか良い本ですが定価が3000円。高いけど読みてたいねぇ。
うさぎさま:
その価値はありそうですね。