「薪ストーブと何の関係もない」って思うかもしれないけど、大有りなのだ。
「中古住宅を取得して、そこに薪ストーブを設置したい」という案件なのだけど、瑕疵(かし)や不具合が起きないように、融資実行、保険適用の前に処理する必要がある。床下、構造、屋根など主要構造部分の検査が入るので、その際に指摘された項目を施工する。最近では、中古住宅の売買の際に、売り手、買い手の両者が安心できるように、第三者機関によるチェックが入り、資産価値を保つための仕組みがあるらしい。
作業当日は、風がかなり強く吹いていたので、脚立が倒れないように、紐でしっかりと固定した。屋根の上でも時折立っているのが困難なほど強い風が吹いて、その時は座ってやり過ごした。
今回の現場は二連梯子をかけなくても、ベランダに脚立を立てれば屋根に上れる環境だ。この点については、煙突掃除の際にもかなり有利だ。
さらに、二階のベランダにも水栓がついていて、高圧洗浄機のホースをつなげられるので、地上からホースを伸ばさずに済んだ。
ラッキーは重なって、ちょうど作業に入る段階で、雨がぱらついてきてくれたので、高圧洗浄機からの水が道路や隣近所に飛んでもクレームになりにくい状況になっていた。普段やっている煙突工事の場合には雨が降ってきたら作業中断だけど、高圧洗浄の作業に関しては、雨が降ってくれた方が良い条件なのだ。
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まずは隣近所に軽く挨拶をしてから、屋根に上がって、塗膜の状態をチェックした。
前回の塗装時にあまり良い材料を使っていなかったか、塗装前のシーラー施工を省いたせいか、あるいはその両方が原因と思われるが、一か所だけ旧塗膜が劣化して剥がれているところを見つけてしまった。指でつまんで引っ張るだけで、簡単に剥がれてしまって、コロニアルの下地が見えてしまう状況だった。
まともな材料を使って、きちんとした仕事をすれば、普通の住宅ならば100万円コースなのだけど、その料金を払っても、きちんとやってくれるかは、かなり微妙だ。やり方次第で、原価率を20パーセントにすることも、80パーセントにすることもできてしまうからだ。信頼できる業者を見つけるのが大切だ。
ここまで書いて、「薪ストーブ業界と似ているかも?」って思ってしまった。
とりあえず、洗浄前の目視確認の段階では、他の部分の塗膜は概ね大丈夫そうなので、高圧洗浄機をかけてから、様子を見てみることにした。
4寸勾配の屋根なので、洗浄作業で濡れると、それなりに滑りやすくなるので油断はできない。ロープをかけて、事故防止の対策を取ってから作業に入った。
洗浄作業の結果、他の部分の塗膜が剥がれてくることはなかった。しかし、他の部分も早かれ遅かれで時間の問題でだろう。
今回、お客さまが希望されている、フッ素入りの高い反射率を持つ塗料を使うと、強い溶剤なので旧塗膜を溶かしてしまう。せっかく塗装しても、剥がれてベロベロになって、塗装作業が意味がないどころか、逆効果になってしまう。
DIYで知識のないまま作業してしまう素人さんとか、プロでも「黙って注文通りにやってしまって後は知らない」という業者もあるだろうけど、私はそういう仕事はできないので、塗料の変更を提案した。旧塗膜を溶かさないために弱溶剤の油性塗料を使うという選択肢もあるが、それでも既にこれだけ劣化している塗膜に塗るのはリスクが高い。確実なのは水性塗料だ。
作戦変更して、明日から仕切り直しすることにした。現場の状況に応じて最善を尽くしていく。
「薪ストーブ屋なのに何で塗装やるの?」という疑問を持つ人もいるかもしれない。私は薪ストーブ屋になる前には、保険屋をやっていた。当時、保険の代理店手数料率が毎年少しづつ低くなってきて、収入もその分だけ減る傾向にあったので、何か他の仕事で減少分を補填する必要があった。保険業を続けるならば、手数料率が減った分だけ、客単価や客数を増やして対応すれば良いけど、私は「保険業を続けない」という判断をして、別の道を模索していた。その頃にパソコンの修理、訪問サポートの仕事や、塗装の仕事をしてきた。趣味ではなく、仕事としてお金をもらうレベルの仕事なので、それなりの技術や知識も身に着けることができたのだ。そういうわけで、保険の相談、パソコン系の仕事、塗装系の仕事であれば、現在でも、ある程度はできるのだ。
もちろん、時代の流れとともに、各分野の最新情勢を知らない部分もある。生半可な当時の知識のまま突っ走ると、致命的なミスを犯すこともある。どの分野でも常に勉強して最新情勢を知っておく必要があるのは、薪ストーブの分野でも身に染みている。だから、保険でも、パソコンでも、塗装でも、薪ストーブ以外の分野の相談をお客様から受けた場合には、自分の知っている範囲の知識だけでなく、必要に応じて現役のプロからのアドバイスを受けて間違いがないように対応している。
もちろん、薪ストーブに関しては、自分の専門分野なので、常に勉強、探求し続けているのは言うまでもない。
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コメント
中古住宅の瑕疵担保責任 について:お疲れさま。木造家屋は原価償却25年ですが、因みに何年の中古でしょう? まともな一流の不動産販売会社は普通雨漏りとシロアリがあると売主は契約上、その半年間以内は瑕疵担保責任として修理責任負担とします。かなり年期が入っているギリギリの屋根ですね。
薪よう子さま:
築年数は確認取ってません。現状の塗装の状態に合わせて、最善の対策を取るだけです。