ネスターマーティンの薪ストーブはS, Hシリーズはレバーで上下からの空気の流れを切り替えて量は回転式のダイヤル一つだけの方式になっているが、Cシリーズと、RH43, TQ33, TQH33に関しては、上下の空気の流れと量を、それぞれの独立した回転式ダイヤルでそれぞれ制御することができる。これにより、より細かく、炎の立ち上がり方、燃え方の状態、炉内の熾火の残り方などを積極的に自分の意図通りに調整できるようになっている。
ネスターマーティンの薪ストーブはスタイリッシュでデザイン性にも優れている。空気調整のレバーやダイヤルなどの操作部分が普段は見えないようにパネルの奥に隠れている。このパネルを開けるには、ちょっとしたコツがある。

少しだけ指で上に持ち上げてから、手前に引き出す
単純に手前方向に引っ張るのではなく、その前に指でパネルを上方向に少しだけ持ち上げるとスムーズに開く。なお、パネルに関しては焚いていても熱くならないので、素手で触れても全く問題ない。

爪が引っかかるようになってパネルをロックしている
このようにパネルに爪がついていて、本体側に引っかかって乗っている形になっている。そのため少しだけ上方向に持ち上げながら、手前に引き出すとスムーズにパネルを開くことができる。これは慣れてしまえば簡単だけど、初めて触れる場合には少し違和感があるかもしれない。パネルのヒンジ部分に遊びを持たせる設計になっている。(これはSシリーズ、Hシリーズでも共通)

パネルを開くと、空気調整のダイヤルが二つある
左右に二つ並んでいるので、パっと見たら、「どっちを回すとどうなの?」と思ってしまうかもしれないけど、注意深く見るとダイヤルの下側に「↑」「↓」と矢印のアイコンがあるのが確認できる。

調整すると矢印の向きの空気の流れを制御
この左側の「↑」のダイヤルは下から上方向の空気量の調整だ。炉底のロストル部分から吹き上げる空気を調整する。
ちなみに右側の「↓」のダイヤルは炉の上側からガラス面に吹き付けるエアカーテンの空気量の調整だ。
焚きつけ時には両方とも全開にしておいて、最初の焚きつけ時に組んだ薪が全部完全に燃えて、追加の薪を投入してその薪が、完全に燃えたくらい(表面が完全に黒く炭価して、全部が炎に包まれた状態)に初めて空気調整ダイヤルを操作する。

扉を開くレバーと共通
空気調整の際には専用ツールを使用する。薪を投入する際に扉を開くために使用する取り外し可能なレバーは空気調整のダイヤルを操作する時にも使う。これを空気調整のダイヤルに突っ込んで回す。ダイヤルにある切り欠きと、レバーの折れている方向を一致させてるように差し込むと、どのくらい調整しているのかという開閉度が判りやすい。
まずは左側の「↑」を適度に絞る。全閉にはしないで10-20%くらいの開度が概ね良いと思う。
次に右側の「↓」を適度に絞り、オーロラ炎の量を調整する。こちらは30-50%くらいの開度が概ね良いと思う。
※焚きつけ後、次に投入した薪が完全に燃えた後の最初の空気調整の場合
その後で「どのくらい絞ったら良いのか?」というのは、環境によって全然違う。煙突の長さ、二重断熱煙突の割合、使っている薪の状態、外気温、標高、気圧、天候、炉内の熾火の量などによって常に異なるので、具体的な正解はない。その時の炉内の状態、燃え方によって、炎や煙の状態を見ながら適切に絞る量を決める。
今回解説したネスターマーティンの薪ストーブだけでなく、他のメーカーの機種でも、それなりに使いこなしのテクニック、コツというのがある。薪ストーブといのは、エアコンなどのデジタル制御の暖房器具とは違ってスイッチを入れただけではダメだ。正しい使い方をしないと本来の性能を発揮できない極めてアナログな暖房器具だ。
多少煙をモクモクさせても近所迷惑にならない山小屋の別荘みたいな環境であれば、自分で試行錯誤して色々試してみても良いかもしれないけど、住宅地で焚いている場合には、自己流の試行錯誤はクレームをもらう可能性が高いので、最初から目視確認できる煙をなるべく出さない焚き方をできるようになった方が良い。
かわはら薪ストーブ本舗では「単純に薪ストーブ設置工事をしたら終わり」ということはなく、ユーザーが自信を持って使いこなせるようにレクチャーを重視している。設置後は最低でも2-3時間かけて、きっちりと取り扱い説明を行っている。正しい使い方で、安心して、快適な薪ストーブライフを送りたいと考えている人は、全国どこでも対応しているので、遠方でも遠慮なく、薪ストーブ設置工事の依頼をして欲しい。
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