誤った考え方で使用された薪ストーブと煙突

常時、燻ぶらせて、常に煙をモクモク立ち上げている使い方をたまに見かける。

薪を投入したら温度が上がる前に、すぐに空気を絞ってしまったりダンパーを閉じてしまったりするとタールが大量発生して、煙突はもちろん、ガラス、炉内までタールで真っ黒けになってしまう。

タールがこびりついた煙突の内側

ガラスまでタールがこびりついている

こうなると煙道火災のリスクが極めて高くなる。
煙突内のタールに引火したら、火炎放射器のように煙突トップから炎が噴き出して煙突が真っ赤になって溶けて歪むだけでなく、木造家屋の小屋裏などの貫通部分の木部に引火して建物火災につながる。

薪ストーブが原因で発生する火事の大半がこれだと言っても良いと思う。

何故このような燃やし方をするのかを考察してみよう。

ありがちなのは薪の備蓄が少ないので、薪を長持ちさせようと意識的か無意識でか、とにかくゆっくり燃やしたいということだろう。

煙を大量発生させても、暖かくなくても、おかまいなしで、とにかく炉内に薪が長時間入っていれば、それで良いとなってしまっているのだろう。

特に夜寝る前にそれをやって、朝まで燻ぶった状態で薪が残っていることが、焚きつけが楽でありがたいという感じだと思う。

太い薪を好む人が、そういう考え方が強い傾向にあると思う。

現代の薪ストーブは高温で二次燃焼させる(つまり煙が自然発火する状態)ことを維持することが基本となっている。上記のような焚き方は誤った、極めて危険な使い方なのだ。

きっちり温度を上げて二次燃焼させて燃やして、それなりの灰、熾火、炉内に薪がみっちり入っていれば、たとえ小型ストーブでも最後の薪の投入から3-4時間後、中型機種であれば6時間後、大型機種であれば8時間後でも、炉内に残っている熾火だけから容易に再着火可能だ。

ボーボー燃やすと、薪が早くなくなってしまうという恐怖心があるのだろうけど、逆に一回、炉内をしっかりとした高温にして二次燃焼させた方が燃費が、むしろ大幅に良いのだ。(薪が燃えずに、薪から立ち上がった煙が燃えてくれる)そこに至る温度を作るまでは、ガンガン焚く必要がある。

その後に空気を絞って二次燃焼させてゆっくりとした炎にすると、理解できると思う。

燻ぶらせて、場合によっては朝になったら炉内に燃え残った薪が残って煙を立ち上げているみたいなことをしなくても、正しい使い方で、朝まで火持ちさせることは可能だ。火持ちの定義にもよるが、残った熾火だけから再着火可能ということを、ここでは言っておこう。

一度、騙されたと思って、試してみて欲しい。

ただし、タールが大量付着している煙突の場合、煙道火災のリスクが高いので、まずは煙突掃除してからだ

煙やタールを大量発生させているということは、本来であれば燃えて熱になってくれる、薪の燃焼成分を無駄に捨てているということで、極めて無駄で、もったいない行為なのだ。

そのことを意識すれば、燻し焚きは厳禁で、煙突から目視確認できる白い煙が上がってない状態(透明な揺らぎだけ見える)が、好ましいことだと理解できると思う。

快適な薪ストーブライフを送るには「毎年の煙突掃除」が必要です。 掃除をしないと煙道火災のリスクがあります 使用…

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