ご主人だけが薪ストーブを焚いていたけど、そのご主人が病気や事故で急死されて、残された奥様から、どうしようという相談が入る案件が、ここ数か月の間に、複数あった。主を失った薪ストーブを前にして、思ったことを書こう。
薪ストーブは慣れている人だと焚きつけから安定燃焼までの操作は簡単だけど、たとえ家族で普段旦那さまのやっているのを見ていたとしても、いざ残されて一人でいきなりやろうとしても難しかったりする。焚きつけに失敗して家の中が煙だらけになったり、いつまでも煙突から煙モクモクで近所から苦情を受けてしまったりしたら、トラウマになって薪ストーブを焚くのが怖くなっていまうだろう。
旦那さまがやっていた煙突掃除などのメンテは年に一度のことなので薪ストーブ屋に任せてしまえば良いけど、日常生活の中で薪を運んできて。薪ストーブで燃やすところまでは、残された家族でやるしかない。焚き方のレクチャーなどで一度限り有償で教えることはできるけど、毎日の生活の中では自分できちんと焚けるようになる必要がある。
旦那さまが主導して薪ストーブを導入した家庭の場合でも2種類に分類される。導入当初は旦那さまが嬉々として薪ストーブのお世話をしていても、年月の経過とともに仕事で忙しくなって、結局は奥様が火入れから運用までほぼ行っていて、旦那さまより焚きつけも上手になっているパターンが一つ。もう一つは、奥様は一切手を出さずに、旦那さまだけが薪ストーブを運用してるパターンだ。
前者であれば、旦那さまが亡くなったところで薪ストーブを止める必要はないけど、後者の場合には分岐点に立たされる。
場合によっては薪ストーブの使用をやめて、既存の煙突を利用して、操作の簡単なペレットストーブに入れ替えるという選択肢もある。ボタン一つで自動点火、タイマー設定で自動に点火、消化までプログラムできるペレットストーブであれば、エアコン並みの簡単操作で、誰でも使える。
入れ替ええることなく、薪ストーブが単なるオブジェになって全く使われなくなるケースもあるだろう。
人間、いつかは死ぬわけで、若い時には自分が死ぬなんて想像もつかないけど、ある程度の年齢になってくると、同年代の周囲を見渡すと、この世からいなくなってしまった人も、それなりに出てくる。健康な時には病気になるとか、事故で亡くなるなんて思わないのが一般的だ。
薪ストーブを焚いている自分が突然この世からいなくなった時に、残された配偶者が、薪ストーブを焚けるかどうか、一度冷静になって考えてみると良いと思う。日常生活の流れのまま、旦那さまだけが焚いている家は、機会を見つけて奥様と薪ストーブの使い方を共有した方が良いと思う。夫婦間だと長年の生活パターンの中で築き上げた役割分担を変えたりすることに抵抗があったり、他人にするように優しく丁寧に説明したりできなかったりしてケンカになってしまうこともあるだろう。
病気の場合は多少の猶予があるかもしれないけど、若くして発症したガンの場合は発見から半年くらいで亡くなってしまうこともある。その間が冬の薪ストーブシーズンとは限らないし入院していては薪ストーブどころではない。交通事故の場合には、突然何の前触れもなく起こる。
これから年末年始で比較的家族での時間が取りやすい時期に入るので、この機会に、配偶者や子供と、薪ストーブの焚き方を共有しておくと良いと思う。
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