新潟での工事の後は、東京で煙突掃除をこなしてから、福島へ移動だ。郡山市のありがた屋さんの工事のお手伝いだ。
今回の現場は吹き抜けの室内がシングル煙突だったものを、二重断熱煙突に入れ替えるという工事だった。
室内側がシングル煙突だと、排気温度が下がって煙の上昇気流が弱くなり、どんな薪ストーブでもきちんと燃えないのだ。これは物理現象なので、否定のしようのない事実だ。
現代の高性能な薪ストーブは、二重断熱煙突を接続して空気を絞って、効率良く燃費を良くする設計になっているので、設計に反してシングル煙突を接続すると、本来の設計通りの燃焼とならず「全開か、煙モクモクか」の二択の燃焼状態となる。
煙突掃除を済ませてからのシングル煙突撤去だけど、煤が部屋に散ることを想定して、事前にブルーシートで薪ストーブ、煙突周りをフル養生してから取り組む。
ありがた屋さんの今日のブログの記事では、煙突トップの状態も写真があげられている。
二人で作業だと、一人が部材を手で支えている間に、もう一人がビスで固定できるので、効率良くスムーズに作業が進んでいく。一人だと難儀するような状況でもサクサクと進む。
今回の現場の薪ストーブ設置工事は家を建てた工務店が行ったため、きちんとしたレクチャーを受けていなかったようだ。薪を投入したら温度が上がる前にダンパーを閉めて燻ぶらせるという典型的な触媒機の誤った使い方をしていたことが煙突の状態から判った。
そこで施主さんにいつものように火を入れてもらった。薪の組み方、置き方なども改善点を教えて、より良く燃えるようにアドバイスした。また温度管理のやり方、ダンパー操作の方法なども正しい運用方法をレクチャーした。
「良く燃えるようになった」「(空気を絞っても)煙が室内に逆流しなくなった」という感想が出てきて、シングル煙突から二重断熱煙突に交換した結果を体感できたようだ。
「シングル煙突の放熱で暖房効果が期待できる」なんていうのは迷信だ。シングル煙突だと、本来の薪ストーブの燃焼が損なわれてしまう。きちんと薪ストーブが燃えれば、薪ストーブからの熱だけで十分だ。煙突からの放熱がないと、きちんと暖房できないという説明が誤りであることは、壁抜きして屋外側を煙突が立ち上がっている施工例を見れば、解るはずだ。
↓ 画像クリック(タップ)で応援をお願いします
ランキングに参加しています