不適切な薪の使用は、薪ストーブの寿命を大幅に縮める。
ありがちなのは、乾燥不足の薪、太過ぎる薪、集成材、塗料や防腐剤のついている建築端材だ。これらの薪を使うと、燃焼温度が高くなり過ぎて、薪ストーブの炉内のパーツを熱で変形破損させてしまう。
乾燥不足の薪や、太過ぎる薪は、空気を絞って燃やすことができない。空気全開でガンガン燃やさないと燻るので、常時全開で燃やすことになりがちだ。そうすると燃焼の終盤だけ、炉内温度が異常に高くなる。次の薪の投入で急激に温度が下がるという繰り返しで、炉内パーツが変形する。
集成材は接着剤が、塗料や防腐剤などが異常燃焼して、燃焼温度が高くなったり、炉内パーツを腐食させるガスを出したりする。
今回、他社施工で(住宅メーカーが新築時に設置)した静岡県のユーザーから、相談を受けて、ドブレ640CBのバッフルプレート一式を交換してきた。関西ツアーへ行く途中に寄らせてもらう段取りを組んだ。
使っている薪を確認させてもらうと、太過ぎる薪が中心だったので、上記の理屈通りのダメージを受けているということが判った。
「適切なサイズの十分に乾燥した薪をきちんと燃やして、炉内温度が上がってから、空気を絞ってゆっくり二次燃焼させて燃やす」というのが現在の薪ストーブの設計思想なので、正しい使い方をしたい。
「そんなことは言ってられない」「太い薪、乾燥不足の薪、建築端材をガンガン燃やしたい」という場合は、焼却炉系の鋼板の物を選択するのが良いと思う。
同じ薪ストーブでも用途、薪の種類によって、機種を慎重に選ぶ必要がある。
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