煙突の接合方法には正挿しと逆挿しの二種類がある。どちらが良いとかどちらが悪いということではなく、それぞれの方法によって一長一短の特徴がある。
正挿しとは上の図のように、下の煙突が上の煙突の中に入るように接合する方法だ。この場合、煙突表面についた雨粒や水滴が煙突内に侵入することがないというメリットがあるが、煙突内に付着したタールや煤が煙突の外に染み出してきて汚らしくなるというデメリットがある。
逆挿しとは下の図のように、上の煙突が下の煙突の中に入るように接合する方法だ。この場合、煙突内の溜まったタールや煤が煙突の表面に染み出してこないというメリットがあり、デメリットとしては煙突表面についた雨粒が煙突内に侵入するということがある。
正挿しにしないと排煙が外に漏れるとかいう心配をする人もいるかもしれないが、そんなことはない。多少穴や隙間があったところで煙突のドラフト(引き)のために煙が漏れることはない。それよりも問題となるのはその隙間からの水分の侵入、タールなどの染み出しなどの方だ。
市販にシングル煙突を組み合わせて二重断熱煙突を製作する場合には、外側の筒を正挿しにして、内側の筒を逆挿しにすると、雨が煙突内には全く侵入せず、煙突内に溜まったタールや煤が外に染み出すこともないという理想的な状態で使うことができる。