薪ストーブのスペック比較の誤解

薪ストーブの導入を考えている人は、カタログや雑誌のスペックを見比べて、異なるメーカーのモデル同士を比較検討するようなこともあると思う。
アース・リー山武店では、ドブレだけでなく、各メーカー取り扱いしているので、このように各メーカーのカタログや、薪ストーブ雑誌もおいてある。幅広い情報の中から最終的にお客様にとって一番良い選択肢を提示できるようにと考えている。カタログや雑誌には、色々なスペックが載っている。
その中で「燃焼カロリー」「燃焼時間」「熱効率」などの数字を比較しても全く意味がないことに気づいて欲しい。
それらの数字は同じメーカーのモデルを比較検討する場合には、それぞれのモデルの暖房能力を知る目安にはなる。しかし、メーカーが異なるものを比べても何の意味もないのだ。何故なら、それらの数字は各メーカーが独自の勝手な算出基準で出したものだからだ。
まず暖房能力の目安を知ろうとして「燃焼カロリー」を見ると思うけど、判りやすい例を挙げるとA社は薪を3本くべた時、B社は2本くべた時、C社は目一杯くべた時、D社は炉の容積から計算した理論上の数字だったりするということだ。しかも、その薪の種類さえ何だか判らない。熱量の極めて高い松なのか、あるいは樫なのか、楢なのか、クヌギなのか、ケヤキ、桜、杉なのか。燃料も統一されてないし、量も統一されてない。仮に燃料の種類、量が固定されたところで、太さ、サイズはどうなのか?さらに、表面温度がどのくらいで薪ストーブを焚いているのかだって判らない。メーカー指定の定格時の温度なのか、鋳物が赤くなるほどガンガン焚いたピーク時のものなのかも不明だ。ここらへんの基準を統一しないで比較しても意味がない。
次に燃費の目安を知ろうとして「燃焼時間」に目を向けると、そもそもその定義が何であるかさえ意味不明だ。薪が燃え尽きたと判断するのは、薪の形状がなくなる時?熾き火が完全になくなる時?炉の温度が何度以下に下がった時?残り熾き火だけで焚きつけ可能な時?それとも完全に灰になった時?そういう基準がないままの数字に何の意味があるのだろうか。さらにこの場合乾燥していない生木を燃料に使ったら、もっと時間が延びるではないか。樹種、乾燥度合い、薪のサイズや量を統一しないで出した数字に意味があると信じている人がいるからそういう数字がカタログに載っているのだろうけど・・・。
そもそも鉄の箱の中で木が燃えている構造のわけだから、同じ質量で同一の樹種、乾燥度合いの燃料(薪)から発生する熱エネルギーはどの薪ストーブも基本的には同じはずなのだ。「熱効率」とかいう数字だってどういう根拠のものだか解ったものではない。
さあ、困った。そうなると異なるメーカー間でカタログスペックを比較する意味がないのだろうか?そんなことはない。確実に嘘をつかない誤魔化しようのないきちんと比較できる数字がある。それは「重量」と「寸法」だ。これで公平に各メーカーの薪ストーブの性能を横並びで比較できる。重量が重く、寸法の大きいものほど、蓄熱できる能力があり、高い暖房能力を持っていると判断できる。こういう単純な物理原則に戻って冷静に考えるのが賢いカタログスペックの見方だ。

かわはら薪ストーブは全国

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