「薪ストーブを焚いた翌朝、煤が飛散しているのが目立ち、ベランダを見るのが怖くなる」「近所の目が怖くて昼間は焚けない」ということでの救援要請で、煙突掃除をしてきた。
バッフル板を外すと、いきなり薄い剥離状の煤がポロポロ落ちてきて、煙突内に低温で焚いた際に発生したクレオーソトが付着していることが推測できる。これが煙突のドラフトで剥がれた際に外に飛び出していっていたようだ。
屋根に上がり、トップを外して、ブラシで煙突内を掃除すると、炉内に煙突内の煤が落ちてくる。その後でトップにこびりついた煤もワイヤーブラシで清掃して、元通りに組み付ける。
煤の付着の様子や、それが剥がれて飛散するという状況から焚き方が甘くチョロ焚きになっていることが推測できたので、焚き方のレクチャーをする。普段、ご主人がやっている方法を見せてもらった後に、高温で煤を発生させにくい方法を実際にやって見せた。薪をくべるタイミングや適切なサイズの薪の選択など、実際にやってみせないと解らないことも多いのだ。
放射温度計を使って薪ストーブ各部の温度分布を実際のデジタル表示で確認してもらう。炉内の様子と連動して、ダンパーを調整したり、空気を調整するタイミングを確認した。いかに炉内の温度を高く保つかということを考えて薪ストーブの調整をすれば良いかというポイントが理解できたようだ。同時に煙や煤の飛散状況に問題ないことを確認した。
単なる煙突掃除だけでなく、上手な焚き方も伝授できたので、今後は安心して焚けるようになると思う。