写真だけを見ると上の方が炎の勢いがあって強く火炎放射器のようにボーボーと豪快に燃えているようで暖かそうに見える。
下の写真の炉内は暗くて水草が揺れる水槽のようなイメージとなる。青白い炎が中心となり熾き火が中心で、熾き火から炎が揺ら揺らと立ち上がっている。
実は上の写真の黄色い炎をボーボーと立ち上げるのは焚きつけ後1時間くらいの間で温度がまだ低い状態だ。下の写真が炉内の温度が十分に上がった状態のものだ。
薪ストーブの正しい焚き方は、高温を維持することにある。低温のうちはガンガン焚いてやり、温度が十分に上がってから空気やダンパーを調整してやるのだ。使っている薪ストーブの適切な表面温度を作ってやることが大切だ。ビビってしまって低めで使っていると不完全燃焼して能力を発揮できないどころか、煤や煙が発生してしまう。
まずは中途半端に燃やさないで豪快に燃やして温度をしっかり上げて、熾き火をしっかりつくることがポイントだ。熾き火を作るためには薪が燃え尽きる前に次の薪を投入してガンガン焚いていくことだ。炉内の底が熾きの絨毯で赤く敷き詰められた状態を作るのが第一段階だ。ここまではケチケチ、チビチビしないで上の写真のようにガンガン薪を投入していき豪快に焚こう。この段階でチョロ焚きになっていると煙突内に煤が付着するのだ。
十分に温度が上がり熾き火がしっかりできると太めの薪を投入しても、すぐにその薪の表面が炭化して黒くなり、木が直接燃えるというより、木から出てきたガスが炉内で燃焼しているような燃え方となる。これが第二段階で、この状態に入れば薪の投入頻度も減り、燃費も良くなる。この段階になってから、はじめてダンパーを閉じるのだ。そしてこの状態を長時間維持して連続稼動させていくのだ。
今はどの段階にあるのかと意識しつつ、焚くことが大切だ。薪ストーブの一部に固定設置されている温度計の表示だけに惑わされないように、体感上温かくなるか、暑くなるのかということを意識しよう。どうしても数字がないと自信が持てない人は放射温度計で薪ストーブ全体の温度が平均的にしっかり高くなっているのかを確認しよう。