煙突掃除

煙突から飛散した破片状の煤

薪ストーブのシーズンも折り返し地点に入った。

厳寒の雪の時や夜に煙突が詰まってしまって薪ストーブを焚けなくなるのは飛散なので、温かい昼間でできる状況の時に火を落として早めに点検することをお勧めする。

二重断熱煙突で屋根からストレートに抜いている場合は、排気温度が下がりにくいので1シーズンが終わってから煙突掃除をすれば問題ないケースが多いが、壁から出している場合やシングル煙突の場合には、も煤がかなり付着していると思う。

煙突は動脈硬化のように少しづつ詰まっていくので、排気が悪くなっていくことに気づきにくい。そして、ある日突然に限界に達して薪が燃えなくなる。薪ストーブの扉を閉めると火が消えて、扉を開けると火がつくという症状になる。完全に詰まると煙が室内側へ出てくるようになる。この症状は折れ曲がり部分に集中的に溜まりやすい壁抜きの煙突によく見られる症状だ。煤の状態は綿状のふわふわのものだ。

またストレートに屋根出しの場合にはもっとも煤が付着して溜まりやすい部分はトップだ。トップ部分で排気温度が冷えて本来なら排気されるはずのクレオーソートが液状化して、それが煙突内部にコーティングされるように付着する。それが剥がれたペラペラの破片状の煤が写真のものだ。こういう煤が煙突付近で見られるときは、薪ストーブの焚き方がチョロ焚きでチビチビケチケチ薪を焚いていて温度が十分に上がっていないのが原因だ。ガンガン焚けば排気温度が上がるので、こういう煤は付着しにくい。いずれにしても煙突から煤が飛散するということは、それなりに溜まっているわけだ。

煤がトップ付近だけでなく煙突内部にまんべんなくコーティングされてしまい蓄積していくと煙道火災の原因になる。ある程度煙突内部の煤が溜まると、薪ストーブからの熱で発火して、一気に全部爆発的に燃焼を起こすのだ。煤は不完全燃焼した燃えきらなかった成分なので何らかのきっかけで熱が加われば発火する。この時は煙突の先から火炎放射器のように炎と火花と火の粉が噴出して1000℃以上に達する激しい燃焼となる。この火柱や煙突の加熱が原因で建物の躯体や隣近所を火災に陥れることにもなる。

こうならないためにも小まめな煙突の点検や掃除が必要となる。ベテランは数年に一度でも良いこともあるが、初心者で上手く焚けない人ほど煙突掃除の頻度も上げる必要がある。燻らせれば2週間でも煤だらけになってしまうのだ。

よく室内側から上にブラシをつついて掃除する方法がブログで紹介されているが、これだと一番溜まりやすいトップ部分の掃除ができないのだ。プロは絶対にこういう掃除をしない。確実な煙突掃除はトップに上がり、トップの煤を取り除き、上から下へとブラシを通して下に煤を落とすのが唯一の方法だ。

薪ストーブを導入する時は煙突掃除のことなどあまり深く考えていないだろうけど、毎年煙突掃除することを考えれば、屋根に上がりやすい建物の構造を考えておくべきだ。ベランダや天窓から簡単に屋根に上がれて煤の付着が気になったらすぐに点検、掃除できるようにしておけば、近所への煤の飛散を気にすることなく安心して焚けるようになる。


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