新築住宅へ薪ストーブを取り付ける場合には煙突の配管ルートを設計の段階で盛り込んでいけるので、真っ直ぐ屋根にストレートに抜く場合に梁や火打ち(筋交い)などに当たらないようにしやすい。
しかし既存住宅の場合には梁や火打ち(筋交い)などが壁に隠れて見えなくなっているので、薪ストーブをここに置きたいとか、煙突をここに通したいと思っても、煙突の配管ルートの邪魔になってしまうケースが多い。というより、邪魔になってしまうことがほとんどだ。
煙突を屋根から抜く場合だけでなく、壁から抜く場合も同様だ。薪ストーブの設置位置や穴の位置を最初に決めてしまうとその場所に筋交いや柱が通っていて煙突と当たってしまうことが多い。高さや位置など、建物の構造の都合で、開口部を逃がす必要が出てくることもあるので、柔軟に対応しよう。
屋根抜きの場合、まずは屋根裏に入って小屋組みを確認して、柱や火打ち(筋交い)がどこに通っていて、どこならば煙突を抜けるのかという確認をする必要がある。それをやらずに適当に穴を開けてしまうと、構造物を逃げるために途中でエルボで折り曲げた配管ルートになる間違えなしだ。
実際のところ一棟の建物で煙突を曲げずに真っ直ぐ通せる場所というのは、かなり限られている。理想的なストレートの煙突にする場合には、薪ストーブの設置位置はほぼ自動的に決まってしまう。その場所が、生活の動線やパターンと合っているかどうか検討する必要がある。場合によってはただポン付けするのではなく、大規模なリフォームの必要も出てくるかもしれない。快適な薪ストーブライフを送るために総合的に考えていこう。自分たちだけで、考えても結論が出ない場合には相談に乗るので、お気軽に問い合わせて欲しい。
最終的に煙突の配管ルートを決めて、自分で煙突工事をやる場合に、線を描いて気合を入れていきなり丸鋸や手鋸で壁を切ってしまいがちだ。しかし、それはお勧めしない。まずはドリルで開口部のセンター付近に小さな穴を開けて、壁の厚み、構造、そして内部に電線が通っていないか、柱などがないか目視確認しよう。ドリルの穴だけでは足りなければ、複数開けるなり、広げるなりして、開口部分の内部に本当に問題がないことをチェックしてから進めたい。屋根裏に入れる場合には、その穴を開けた後に、その場所で本当に良いのかの最終確認や線の位置の正確さのチェックもできる。
まずは穴を開けて内部に問題がないことを確認