屋根に二連ハシゴをかける場合の注意

煙突掃除はトップからが基本だ。いくら下から突付いても、掃除できるのは煙突内だけで、トップに付着した煤は完全には取れない。やがて出口が詰まって、まともに排気しなくなってしまう。
トップの排気部分に付着した煤の掃除は、取り外して地面に下ろしておこなう
きちんと煙突掃除するためには屋根に上ってトップを取り外してやる必要がある。
自分でメンテナンスしたい人もいるので、意外と盲点になりがちな、注意事項を書いておく。よく私が煙突掃除や煙突工事をしている写真を見て「ヘルメットをかぶってない」とか目くじらを立てている人がいるけど、ヘルメットよりもはるかに重要なことだ。ヘルメットもするに越したことはないけれども、それはあくまで落ちた場合に被害を低減するパッシブセーフティであって、積極的に落ちないようにするアクティブセーフティだ。もちろんヘルメットを否定するものではないのは言うまでもない。私もリスクが高い現場の時はかぶっている。特に足場を組んであって頭をぶつけそうな場合とか、上で別の人が作業して何か落ちてくるような時には絶対にかぶっている。
屋根にあがる際に、二連ハシゴをかけるケースが多いが、注意したいことがある。それはハシゴの固定だ。雨どいを支えている金具や、建物の木部のしっかりと荷重を受けられるところに金具を取り付けたりして、それにしっかりハシゴを固定してやろう。そうしないと横に滑ってハシゴが倒れる危険性が高い。自分がハシゴに上っている途中にハシゴごと転倒したら、どうなるか想像してみよう。そうなったら、ヘルメットをかぶっていたとしても、ただごとでは済まないので、しっかりと安全対策しよう。固定するまでは誰かに下でハシゴを支えてもらう方が無難だ。(念のためだけど、助手の人には携帯電話を持っていてもらって、万一の際にはすぐに119に電話できるような体制で臨もう)
雨といの金具にハシゴを固定した例
ログハウスの場合に木部に金具を取り付けてハシゴを固定した例
このように安全対策をしっかりして、二連ハシゴをきちんと固定してやると、比較的安全な作業となる。
それから風の強い時、屋根が濡れている時の作業も厳禁だ。こういう条件の時には無理しないで迷わずに作業を延期しよう。
また屋根に上がる場合は、しっかりとした地下足袋を履くこともお勧めする。あまり値段の安いものはグリップ力が良くないので、値段の高めのものを選択しよう。力王ファイターなどはお勧めできる。地下足袋を履いたり脱いだりするのはハシゴの周辺にして、地下足袋であまり土の上を歩き回らないようにしよう。どうしても足場が良くない時は地下足袋を履いたまま、さらにサンダルを履いて移動するくらいの神経を使おう。地下足袋は屋根の上を歩くため専用の上履きという感覚だ。
このようにハシゴを固定して、足元をしっかり固めるのが基本だ。それで転落しないように十分に対策して、細心の注意した上での作業をしよう。ヘルメットをかぶっていたとしても、こういう対策をしないでいるのは本末転倒と言わざるを得ない。
最後に作業終了後の二連ハシゴの保管だけど、直射日光と雨の当たらないところに置いておくと良い。悪条件のところに放置すると、動きが悪くなって非常に使いづらくなる。スムーズで安心な作業のために保管にも気をつけたい。

かわはら薪ストーブは全国

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする