イギリスの新世代の薪ストーブCharlton and Jenrick CPV5Wのインプレ

もともとは、ガス暖房器具のメーカーが作った薪ストーブ。細部に至るところまで、従来の薪ストーブとの違いを感じる。
火を入れる前に細部をチェックすると、排気を極力クリーンにするための設計意図を感じた。
「チャールトン アンド ジェンリック」というメーカー名は読みにくいと思うが、創業者二名のイギリス人の名前だ。日本人名で言ったら、山田と佐藤みたいな感じ?
以前、この製品の発表会があって招待されていたのだけど、関西ツアー中で参加できなかった。
そしたらメーカーの営業さんが車にデモ機を積んで持ってきてくれたので、かわはら薪ストーブ本舗北軽井沢店のショールームの煙突に、一時的につないでチェックしてみた。
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上に載っているだけの天板を持ち上げて取り外すと、内部構造が観察できる
特筆すべきは炉と外装板が完全に分離した二重構造になっていて、外装板の内側には熱反射材が貼りつけられている。これにより、本体外装板の温度を上げ過ぎずに、内部で対流させた空気を部屋に排出する仕様だ。このため、設置環境によっては、炉壁なしでもいけてしまう。石膏ボード&クロスなどの可燃内装壁面に対して、300ミリの離隔距離を確保すれば良い。炉壁を作らないで済むというのはトータルでの設置コストを大幅に下げることも可能だ。
それから、炉の上のレバーも気になる。
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このレバー操作でアクティブバッフル(※)のコントロールを行う
※AUTO→扉を開くとバッフル上部の弁が自動で開いて排気が直接煙突に抜けて、扉を閉じると弁が閉じてバッフルを炎が回る
※CLOSED→アクティブバッフルの機能を無効にして、常に炎と排気がバッフルを回る
※IGN→点火時に、扉の開閉に関わらず、常に弁を開いて、排気の抜けを良くして燃えやすくする
従来の触媒機のように排気経路を切り替える機構が、クリーンバーン機にも関わらずついているのが驚きだ。レバーの位置で、扉の開閉にともなってレバーが押し込まれて、バネの力との組み合わせで弁を制御する。余計な機能が熱の高い部分にあると故障の原因となりがちだけど、万一の時には、ワンタッチで簡単に調整、交換、修理できるようになっている。
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点火時の位置(IGN)にレバーを動かして焚きつけを開始する
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炎(煙)はバッフルに沿って前面の扉方向に流れず、直接煙突に向かって抜けていくため非常にスムーズな立ち上がり
排気抵抗を極力減らして勢いよく燃やして、焚きつけ時の温度が低い状態での立ち上げ時の煙を減らそうという設計だ。
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比較的少量の薪を完全燃焼させる設計で、消し炭(燃え残り)が少ないのが特徴
まるでガス暖房器具のような、透明なブルーフレームが特徴だ。この状態が長時間続く。炉内の白い壁は、安価なバーミキュライトではなく高価で重量のあるセラミック製だ。保温と蓄熱の両方の効果が期待できる。
定格出力は5KWと決して大きくはないけど、これからの、高気密、高断熱の新築住宅には、むしろ、このくらいの方がちょうど良いジャストサイズだ。排気がクリーンで、マイルドな温かさが特徴の薪ストーブだ。焚きつけもしやすく、初心者にも扱いやすい。
写真だと炎の雰囲気が伝わりにくいので、動画を紹介しよう。


今回紹介したCPV5Wはクラシックなデザインだけど、モダンな縦型のPV5Wも、ほほ同額の定価50万円クラス、ワイドな横型(大画面テレビのような)PV85というモデルは定価60万円クラスでラインナップされている。ちなみにPVはPure Visionの頭文字。ガラスが煤けずに綺麗に見えるところからつけた型番だと思われる。CPVのCはclassicalの頭文字だろう。数字の5は5KW、85は8.5KWの定格からそれぞれ取っているので、かなり解りやすい型番だ。
好みの形と、設置する環境に応じたスタイルから選択できるので、幅広いユーザー層に合うと思う。
また、今回の記事では写真は掲載しなかったけど、扉の開閉も車のドアと同じような感覚で、気持ちよくできるのも特筆できる。ドブレのビンテージのような感じと似ている。
完全に炉が入れ子になっているという構造上、天板の温度が220℃程度までしか上がらない。時間をかけて調理したり、保温したりするには十分だけど、積極的に天板で料理するには少し物足りない。積極的に料理する場合には炉内も併用、活用すると良いと思う。
この記事では、使い勝手やインプレを書いたので、スペックなどの詳細はメーカー(輸入元)サイトでチェックして欲しい。
https://www.charltonandjenrick.jp/

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