高気密高断熱化している最近の新築住宅への薪ストーブ設置には当てはまらないが、古民家や古い住宅に薪ストーブを設置する場合に参考になるデータを紹介しよう。このデータを取ったのは、かわはら薪ストーブ本舗 北軽井沢店バックヤードでヒミエルストーブKD01を焚いた際の11月22日だ。この日の夜中の外気温はマイナス3℃前後なので、関東平野の厳寒期くらいのイメージだ。
寝る前に最終薪を投入した様子
朝、起きた時の熾火の様子
就寝前の22時頃に最後の薪を投入して、翌朝6時半くらいに残った炉内の熾火からの焚きつけした時の室温の変化が黒い線で表示されている。(緑の線は湿度)
11月21日夜から11月22日午前中までの室温、湿度の推移のグラフ
薪ストーブに最後の薪の投入を終えて、その薪が燃え尽きると、室温は直線的に下がってくる。
断熱材があまり入ってないので建物なので、熱源がなくなり、温度が外にどんどん逃げていくことが良く解る。ちなみに朝の最も冷え込んだ時の室温が約13℃だ。
そして、翌朝に再び薪ストーブを焚きつけると、夜中に温度が下がる時よりも急角度で、室温が上昇している。
午前中の温度が波打っているのは、9時前に仕事で出かけて、昼前に帰ってきた時に薪を追加したからだ。薪ストーブが鎮火する前に薪をくべれば、このくらいのカーブの波を繰り返して快適な室温を維持できる。
しかし、眠ってしまうと薪をくべることはできないので、温度が下がっていくということだ。ちなみに、薪ストーブや他の暖房器具なしだと外気温マイナス3℃の時には、室温は7-8℃だ。
朝方に、ここまで温度を下げたくないという場合には、最後の薪の投入から4時間後くらいの午前2時くらいに薪を目いっぱい入れてガツンと焚けば快適な室温を維持できるだろう。
しかし、そのために起き出すのは現実的ではない。偶然目が覚めたり、トイレに行くなどで起き出す場合以外は、普通はできないと思う。
薪ストーブは手動でアナログな暖房器具なので、ここらへんは割り切る必要がある。
建物の断熱性能を上げれば、薪ストーブの火が落ちても室温は維持されるので、根本的な対策は「断熱工事」ということになる。
窓を全部ペアガラスにして、屋根裏に分厚い断熱材を敷き詰めれば効果は大きいけど、大がかりで、それなりの費用がかかる。
夜中から朝方まで、ずっと暖かさが必要という場合には燃料を自動供給してくれるペレットストーブを視野に入れるのもありだと思う。
自動着火のタイマー付きのペレットストーブを薪ストーブと併用するという作戦もある。また、アキミックスというペレットと薪の兼用機もある。これなら起きている時間は薪で焚いて、就寝時はペレットという使い方もできるので、合理的だ。
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コメント
気密性が極端に悪い住宅でなければ断熱性能の差は「薪ストーブ」さえあれば大丈夫。
まさに輻射熱がそれはスゴイので室温の数字は体感的にさして問題にならずほとんど気になりません。
部屋が寒くても薪ストーブを近くで焚いていれば快適ですよね。
薪ストーブをケチケチ気味(性能は発揮させていませんが)に焚いていても炎があるとないとでは全然違うようです。
北欧生活は未経験ですがそれほど薪ストーブの有無はその炎パワーは日本でも軽井沢近辺で違うんだと思います。
室温は10度以下ですと寒い。事実薪ストーブに老人やペットだと「かじりつき」ですが、洋服を着ている人、つまり健康体なら17~22度前後は暖かさは変わらないように思います。
就寝中はダウン布団と湯たんぽさえあれば室温は13位まではポカポカですよね?
生活中の体感的快適さは輻射熱の有無、つまり炎で感じます。
そういえばエアコンには輻射熱は期待してもダメで床暖房が快適なのは薪ストーブ同様の輻射熱だからではないでしょうか?
薪よう子さま:
この記事では極端に断熱性能の悪い住宅での薪ストーブ使用に関して焦点を絞って書いています。
個別の環境によって、様々ですので一概に言えないですね