本来は、煙突掃除は薪ストーブシーズンが終わった春に行うのがベストだ。
シーズン直前に焚く寸前にやる人もいるけれども、梅雨や夏場の湿度の高い時期に煤や灰が湿気を吸って錆や腐食の原因となるので、なるべく春に行いたい。シーズン直前だと、万一不具合を発見しても、対策までに時間がかかって、寒くなって焚きたい時に焚けないことも出てくる。
シーズンの前後の時期を問わず、煙突掃除を定期的に毎年行っているなら、まだ良い。
煙突が詰まってまともに燃えなくなってから、初めて煙突掃除をする人もいる。
これはリスクが高い。
煙突に詰まった煤やタールは可燃性だ。
詰まった煙突で抜けが悪いところを強引に燃やそうとすると、薪ストーブの空気を全開でガンガン焚かざるを得ないが、勢い良く燃やした際に、煙突内に付着した煤やタールの温度が上がってくると、やがて引火する。
そうすると、激しい上昇気流を伴って酸素が吹き付けられるので、煙突のトップから火炎放射器のような炎が噴き出す。
こうなると、燃料である煤やタールが完全に燃え尽きるまで止まらない。これを煙道火災と呼ぶ。
この際、煙突の表面温度は1000℃くらいに達するので、木造家屋の小屋裏などに引火して、建物火災に直結する。
薪ストーブを10年以上使っているベテランユーザーに多い事故だ。今回も設置後20年位経過した現場で、ここ数年煙突掃除をしていなくて、燃えにくくなってきたということで依頼が入った。
角トップのルーバーがタールと煤で詰まっている
蓋にもタールが固着して、なかなか外れなかったが、取り外したら、こんな感じ
煙突の上端付近にも大量のタール、煤、灰が積もっていた
炉内に落としたら扉を開けなくなるであろうことが想像ついたので、煙突を取り外してビニール袋をかぶせて、ビニール袋の中で煤を回収したが「これでもか」というくらい延々と出てきた。
大型薪ストーブの炉内の容積よりたくさんの煤やタールを回収
作業の後、コーヒーを淹れてもらってチョコレートと一緒にいただいた
お客様には「火災のリスクがあるので定期的に煙突掃除した方が良い」と伝えてきた。
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