メトスの固定金具に、新宮商行の煙突を取り付ける特殊支持バンドが入手可能に

これから薪ストーブの設置を考えている人は、薪ストーブのメーカーだけ検討していて煙突のメーカーのことは、あまり考えてない方が多いと思う。私のブログを熟読している読者なら国産の二重断熱煙突がベストと理解してくれていると思うけど、さらにその先のその煙突を固定する金具のメーカーまで、考える人はまずいないだろう。

煙突そのものの性能も大切だけど、それをいかに強固に確実に固定するかという問題は、安全性、耐久性にも直結する重大なポイントだと考えている。そのため、より合理的な方法を常に研究している。時代の流れの中で新製品が出て、それが良いと思えたら積極的に取り入れるようにしてアップデートしている。

ちなみに、私が普段の煙突工事で使用している国産の二重断熱煙突は、メイク、高木、新宮商行の三社がある。それぞれのメーカーで、雨仕舞パーツや、固定金具などの周辺パーツも販売されているけれども、正直言って、どれも一長一短があって、「このメーカーの周辺パーツがベスト」と1社だけに絞れないのが現状だ。現場の状況や環境に応じて、最適な各社のパーツを組み合わせて使っている。

特にこれまで悩ましかったのが、チムニー内への煙突固定金具だ。

メトスの固定金具

このメトスの固定金具を使うと、チムニーの内寸が一辺450ミリない現場でも取り付け可能だ。極端な場合は基準値よりはるかに狭い一辺350ミリの貫通部でもいけてしまうくらいで、かなり設置の際の柔軟性、汎用性が高い。しかし、L型の取り付け台座になっているため、木下地がチムニーの枠だけでは足りず、天端から下方向に向かって300ミリ程度の範囲で必要となる。打ち合わせ時に指定しても、現場で忘れられてしまって指示通りになってないケースもあるので、その場合は想定していた強度が出ない。

施工の際にも、あらかじめ煙突を支持バンドではさんでおいて、この固定金具の上に乗せてからボルトで固定するだけなので、施工性も良いし、一人作業でも楽に無難にこなせる。

新宮商行の固定金具

一方、この新宮商行の固定金具の場合は、金具そのものの寸法が450ミリもあるので、チムニー内寸の一辺が460ミリ以上でないと、そもそも物理的に取り付けできない。一般的にはチムニー内寸は450ミリで作られることが多いので、使えないケースも多々ある。しかし、チムニーの天端付近の枠(骨)だけで取り付け可能なので、下地位置の細かな打ち合わせが不要という面でのメリットも大きいのだけど、サイズ的な面で実際の現場の状況に適合しないことが多い。

施工性に関しては、かなり悪く、煙突を乗せるだけでは収まらず、固定金具の可動範囲部分へ、支持バンドからのボルトを回し入れるというアクションが必要で、一人作業で確実、安全に行うのが、かなり大変だ。そのボルト部分へあらかじめワッシャーを入れておく必要もあるが、これを落とさずに入れ込むことは、かなり困難だ。あれこれ工夫して、緊張感を持ってやれば何とかなるけど、どうしても高木の方が施工性が良いのは明白だ。

「じゃあ、メトスの固定金具に、新宮の煙突をつければいいじゃん」っていう発想もあるかもしれないけど、実はメーカーが違うと煙突の直径が微妙に異なり、他社製の支持バンドが使えないのだ。無理やり取り付けたとしても、今度は固定金具とボルトの取り付け位置が合わなくて、現場で、分厚い固定金具へドリルで穴開け加工とか、あり得ないような手間と時間がかかってしまい、現実的ではない。

どちらも一長一短で、それぞれの現場によって対応してきた。従来はこのような悩みを抱えていたけど、このたび、新宮商行から、メトスの固定金具の取り付けネジの位置に適合した支持バンドが試作されて、入手可能になったという情報を仲間の薪ストーブ屋さんから教えてもらった。国産の二重断熱煙突を使っている仲間がいて、情報交換できるというのは、とてもありがたいことだ。この支持バンドは特殊なパーツなので、それなりの値段はするけど、煙突メーカーの互換性を持たせるという意味では画期的なものだと思う。

まだ話に聞いただけで、実物を見てないので何とも言えないけど、次回の煙突工事で実際に使ってみて評価したいと思う。

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