30年前のオールシングル煙突の施工

シングル煙突から二重断熱煙突への入れ替え工事の現場だ。一階の薪ストーブの置いてある部屋の天井の貫通部分がシングル煙突なので、その上もシングル煙突なのは想像がつく。

今回の現場

とりあえず家を建てた大工さん手作りのコンクリート系の化粧板を取り外す。これもビスが効いてないところがあって、天井裏の化粧板の木下地が入っていない部分があるということで、プロの仕事としてはどうかと思う部分もあった。

屋根の上のチムニー貫通部分まで、全部シングル煙突で突き抜けていた。一番上は二重断熱煙突かと思っていたので、少しやっかいなことになった。一番上が二重断熱煙突であれば、メーカーが違ったとしても、変換アダプターを使って、多少の加工をすれば、新宮商行のSCS匠の二重断熱煙突が接続できる。しかし、今回の現場はそういうわけにはいかない。

全てのシングル煙突の荷重を薪ストーブ本体の口元で受けていて、スライド煙突は使用していない。つまり、煙突を取り外してメンテナンスしたり、薪ストーブの入れ替えをすることを全く考慮していない施工だった。

チムニーの貫通部分をシングル煙突が突き抜けて、チムニーの中でストームカラーで処理しているので、薪ストーブを交換したり、メンテナンスの際に煙突を外したい時には、チムニー上部の煙突の雨仕舞い破壊して、やり直すしかないということだ。

チムニー内部も含めてオールシングル煙突で、貫通部分をシングル煙突が突き抜けて、上部はストームカラーで処理

薪ストーブ本体のメンテナンスや入れ替えのことを無視した割り切った設計、施工も驚きだけど、さらにびっくりしたのは、薪ストーブの口元で荷重を受けているだけで、煙突が全く固定されていないことだ。地震の際に竹や柳のように、しなって力を受け流す超絶技法だ。

30年前はこれが普通のやり方だったのかもしれない。

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コメント

  1. ヒロ より:

    おはようございます。

    30年前というと、まだまだ薪ストーブが今ほど認知されておらず、普及もしていなく、普遍性が著しく低かったように推測します。
    きっと、こんなもんだろ、後のことは知らん、くらいにシングル煙突をとりあえず薪ストーブに繋げたのではないでしょうか。
    このような杜撰施工があちこちで行われていたと思うと、唖然としますし、何が起こるかを想像すれば、身が震えます。
    すんでのところで大事故を防げたと、私は思います。
    ああ恐い恐い。

    • かわはら より:

      ヒロさま:

      おっしゃる通りだと思います。

      事故を防げたことと、快適に薪ストーブが使えるようになったことの一石二鳥ですね。