シングル煙突から二重断熱煙突への入れ替え工事

今回の33年前のシングル煙突から二重断熱煙突への入れ替え工事は、かなり難易度が高かった。これまで私が経験した工事の中でも指折りの難しさだった。

全シングル煙突の荷重が、薪ストーブの口元にかかっていて、乗っているだけで普通に力を入れても持ち上がらない。まずはシングル煙突を撤去しないと工事が進まない。

正攻法であれば、屋根の上に登って、チムニーの上についている囲いフラッシング(角トップ)も撤去して(実質は破壊して)、シングル煙突を上から引っ張りあげて取り外していくことになる。

しかし、工事の日は大雨で屋外側からの作業は不可能に近い。

そこで、室内側から煙突を取り外す作戦だ。まずは力づくでシングル煙突を持ち上げる。この状態で1メートルづつ接続されているシングル煙突を接合部分で取り外していく。使用状態が悪くてタールが固着して外れないケースが多いけど、幸いこの現場は、何とか外れた。最悪外れない場合はサンダーで切断作戦だけど、この段階で登場することはなかった。

シングル煙突の一番上の最後の一本だけは、貫通部分の上にストームカラーでの雨仕舞で引っかかって外れない。そのため、チムニー内部に梯子を立てて、チムニーの最上段まで自分で行くしかない。

家の吹き抜けに2連梯子を立てての煙突工事大変だけど、今回は二連梯子だとチムニー内に二連梯子を挿入するのが物理的に不可能なのだ。以前、二連梯子を狭い吹き抜けに立てた時に困難を極めたので、「いずれ三連梯子が必要になるな」と思って、買っておいたものを、ようやく実践投入することになった。

新築住宅への薪ストーブや煙突の設置の場合、現場の進捗状況に合わせて足場のかかっているうちに、煙突工事をさせてもらえるケースが大半だ。 ...

三連梯子をチムニー内に立てて、二階のチムニー点検口から入って、三連梯子を上って最後の一本に手が届くところまで上がっていく。観察すると丸い貫通用の穴の中に、シングル煙突が通っていて、上部をストームカラーで巻いてある構造だった。先ほど持ち上げた時は、ストームカラーごと上に持ち上がった状況だった。このシングル煙突がしっかり固定されていれば、シングル煙突と二重断熱煙突を接続することを考えれば良いが、どう見ても二重断熱煙突の荷重を受けられそうな感じではなかった。直接このシングル煙突を手で引っ張ってみたら、あっさりストームカラーが外れて、引き抜くことができた。

シングル煙突を全部撤去できたので、次は二重断熱煙突の取り付けだ。貫通穴へ二重断熱煙突のインナー管の突起をはめる作戦だ。国産の二重断熱煙突の場合は、接合部分から浸透圧でしみ込んできた雨水を戻すために堤防が設定されている。この堤防状の突起の形状が利用できる。

「最近の二次燃焼システムを持つ高効率の薪ストーブの場合には、二重断熱煙突を組み合わせて使うのが必須」と以下の2つの記事で説明してきた通りだ。...

チムニー内部のケイカルの壁の内側の木下地があるところ(釘でケイカルを打ってあるところ)に煙突固定金具を取り付けて、その煙突固定金具に煙突を取り付けつつ、上方向に押しつけるように、インナー管の突起を、これまでシングル煙突が通っていた貫通穴に入れた状態で固定する。

文字で書くだけなら簡単だけど、とても大変だった。人間がやっと入れる真っ暗なチムニーの中で、ヘッドライトの明かりだけを頼りにしての作業だ。角度によって光が当たらなかったり、腰袋が梯子に引っかかって身体の動きが制限される状況での作業だ。

チムニー内に三連梯子を立てて、狭い中での作業

最初の一本を確実に固定しないと始まらないので、落ち着いて、じっくりと進めていった。

最初の一本目の煙突固定がキモ

無事に最上段の二重断熱煙突を固定できた。この後は三連梯子を、煙突縮めながら、一本づつ煙突を接続していく。

チムニー最下端でもがっちり煙突固定

チムニーの最上段だけでなく、チムニーの最下端でも煙突を固定して、二か所で煙突固定できた。

化粧板を取り付けて、室内側の煙突を接続して完了

従来のシングル煙突が接続されていた時より、二重断熱煙突が接続されたことによって、安心感、安定感が出てきた。

昨日の記事の、施工前の写真と見比べて欲しい。

シングル煙突から二重断熱煙突への入れ替え工事の現場だ。一階の薪ストーブの置いてある部屋の天井の貫通部分がシングル煙突なので、その上もシングル...

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