アルテックのソープストーン製の薪ストーブの焚き方

アルテックのソープストーン製の薪ストーブ「グランデノーブル デポ」の焚き方だ。

この記事の内容は、例として挙げた「グランデノーブル デポ」に限らず、「グランデノーブル ベーシス」「グランデノーブル コンプリート」「ノーブル デポ」「ノーブル ベーシス」等の、他のアルテックのソープストーン製の薪ストーブ全部に共通している。

鋼板や鋳物が素材の一般的な他の薪ストーブと、ソープストーンは明らかに違う特性なので、それに応じた焚き方をする必要がある。ソープストーンは蓄熱性が鋼板や鋳物とは比較にならないほど極めて高い。そのため温まるまでに、より長い時間がかかる。

早く温めたいと焦って、大量の薪を投入したり、横着して太目の薪を投入すると、逆効果だ。

燻ぶって全然燃えずに、温度も上がらない。

炉内の背面、及び、側面の石の色に注目しながら焚く

炉内の背面と側面の石の色がこの写真のように黒いうちは、まだ炉内温度が低いと判断できる。しっかりソープストーンが蓄熱して、炉内温度が上がると、黒い煤が取れて、白くなる。

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「急がば回れ」で丁寧に細目の小割り中心で、ゆっくりと時間をかけて焚き上げていくことが大切だ。具体的には巡行状態まで2時間位かける覚悟が必要だ。

アルテックの薪ストーブに限らず、最近の薪ストーブは、少ない空気の流入量で、ゆっくりと燃費良く薪を燃やす設計となっている。炉内温度が十分に上がって巡行運転可能な状態になった時に最適な空気の量なので、炉内温度が低いうちは、空気の量が全然足りなくて、かなり燃えにくい特性なのだ。

ひと昔前の豪快に燃える薪ストーブ(私が薪ストーブ屋を始めた頃の時代のドブレ700SLや、ヨツール旧モデルのF400, F500など煙突ダンパーで燃焼にブレーキをかけたくなるタイプ)とは明らかに燃やし方が違う。なまじ昔からの経験のある人で、この時代の薪ストーブの感覚が抜けていないと、最新のエコデザインの、空気の供給量が極端に少ない設計の、現代の薪ストーブを焚いた時に、あまりに燃えなくてびっくりするだろう。

最新のエコデザインの設計の薪ストーブは、温度が十分に上がってない時に太目の薪を投入すると、不完全燃焼して、炎が消えて燻ぶってしまう。しっかり温度が上がり、熾火が十分にできるまでは、断面の一辺が3-4センチ位の細割り、小割りだけで焚くのが良い。これはアルテックに限ったことではなく、鋼板製、鋳物製も含めた、エコデザインの設計の最新モデル全般に言えることだ。

特にアルテック製のソープストーン製のモデルは、薪ストーブ本体が蓄熱するまで炉内の温度が上がらないので、温度が上がるまで時間をかけて丁寧に細目の小割り中心で焚き上げてやる必要があるということだ。これが使いこなしのコツというか肝の部分となってくる。

話しをグランデノーブル デポの焚きつけに戻すと、焦らずに、少しづつ温度を上げていくと、だんだん炉内の石の色が変わってくるのが観察できるはずだ。

炉内温度が上がってくると煤の黒色が取れて、少しづつ白くなってくる

一枚目の写真と比較すると、炉内背面や側面の石の黒い煤がだいぶ取れてきているのが確認できる。この後、さらに焚き上げていくと、真っ白な状態になる。白くなったら、炉内温度が十分に高くなったと目視で判断できる。

十分に炉内温度が上がって、炉内の背面、側面の石の煤が焼けて完全に白くなった状態

炉内の石の色を観察すると、薪ストーブ本体がしっかり蓄熱して、安定燃焼できる状態になったと誰でも判断できる。天板に温度計があれば、さらに目安が判りやすいけど、温度計がなくても色で一目瞭然だ。

焚きつけ時の全開ポジション

本体の右側、後ろに空気調整レバーがあるけど、炉内温度が十分に高くなるまでは、▽の全開ポジションのままで、全くいじる必要はない。

天板温度が230℃程度がベストなので、ここまでは空気全開で、時間をかけて焚き上げる

一辺6センチ程度の通常サイズの薪を投入できるのはこの段階になってからだ。天板温度230℃かつ、炉内の石が真っ白で、炉内に熾火がたっぷりになった状態だ。

ちなみに断面の一辺7センチ程度程度までが薪の推奨サイズで、それ以上の太さの薪がアルテックに限らずNGなのは、他のメーカーの薪ストーブでも共通して言える。これより太い薪を使っている人は、一度見直してみることをお勧めする。

最適な薪の太さは一辺が6センチ程度の正方形に近い形状

この状態1辺6センチ程度の薪を2本程度投入して、しっかり燃やして薪の表面が完全に黒く炭化してから、初めて空気調整レバーを焚きつけの▽ポジションから+の位置へ調整する。

天板温度230℃かつ、炉内の石が白くなったら、初めて空気調整する

ソープストーン製の薪ストーブは、この状態になるまで、焚き付け後、概ね2時間程度はかかる。それが待てない人は、鋼板製や鋳物製の薪ストーブを選択した方が良いと思う。

巡行状態までの所要時間の目途

鋼板製 → 30分
鋳物製 → 1時間
ソープストーン製 → 2時間

一度蓄熱して巡行状態になったソープストーン製の薪ストーブは、鋼板製や鋳物製では得られない、心地良さと快適性をもたらしてくれるので、時間をかける価値はあると思う。

特に一晩焚いた後の翌朝の表面温度の高さは特筆できる。「朝まで温かい薪ストーブが良い」「朝の焚きつけが楽で早いのが良い」というのを求める場合には、ソープストーン製に勝るものはない。蓄熱性が高いので、冷温時からのゼロスタートの立ち上がりが遅い分、逆に一度蓄熱すると、火が落ちた後には長時間に渡ってゆっくりと、心地良いマイルドな放熱をしてくれるのだ。

ちなみに、巡行状態になった、アルテックの薪ストーブは、以下の動画のような超安定したオーロラ炎で、癒してくれる。

使用目的、ニーズにもよるので一概には言えないけど、定住していて毎日使うようなユーザー、別荘の場合には数日間は滞在して蓄熱のメリットを享受できる場合には、断然お勧めの、私のイチオシの薪ストーブだ。

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