今回、工事した千葉県茂原市の薪ストーブ設置工事は、中古住宅を取得して、設計士が入って大幅なリフォーム工事をして薪ストーブを設置するというものだった。
かなり長い期間がかかっていて、一番最初に話がきたのは2年前位だったかと思う。その後、話が具体的になってきて、施主さんだけでなく、設計士、工務店も交えて現場打合せを行った。
通常の建築工事だと、施主さんは設計士に費用を全額納めて、設計士が工務店に下請けで建築工事をやらせて、工務店がさらに薪ストーブ屋に下請けで薪ストーブ工事をやらせるという流れが多い。この場合、施主さんの意見を薪ストーブ設置工事に反映させるのは、なかなか難しくなる。設計士の思想で薪ストーブ工事の概要が決められて、工務店のコストダウンの思想で薪ストーブ工事の仕様が決定される。こうなるとメンテナンス性を無視した残念な施工となることが多いのは承知の通りだ。
リフォーム工事や新築工事を金融機関からの住宅ローンに組み入れる場合に、設計士や工務店に一括して入金する必要はない。設計士、工務店、薪ストーブ屋のそれぞれに支払うことも可能だ。金融機関から施主さんの銀行口座に融資が実行されると振り込みされるので、それをそれぞれの支払先に振り込むということで、対応できる。
個別に発注、支払いすることで、それぞれの会社に仕事の内容を直接指示、打ち合わせをすることができる。結果的に、満足いく内容で施工することができる。今回の現場も煙突工事や薪ストーブ工事を当店に直接依頼いただいていたので、施主さんの希望通りの施工ができた。
当初は工務店の方で、内装リフォームの一貫で煙突貫通部分の造作を行っていたのだけど、施主さんとのコミュニケーション不足、確認不足で、室内側の煙突貫通部分の位置が違うという事態が発生した。煙突貫通位置の違いだけでなく、薪ストーブ以外の他にも色々と問題があったようで、結局は、工事途中で契約解除して工務店をチェンジするということになった。
この場合でもチムニー工事は、当店で直接施主さんから受けていたので、施主さんの希望の位置でチムニー工事を行うことができた。施主さんは当店にチムニー工事も任せておいて本当に良かったと言ってくれた。
チムニー工事を行ったのが、1年位前のことだ。その後、煙突芯の位置が決まったら、すぐに薪ストーブ設置という流れが一般的だ。
しかし、この現場は薪ストーブ搬入工事の直前に、工務店の契約が解除になり、工事が止まってしまった。発注していた薪ストーブも運送会社の倉庫に預けたまま日割り計算で税込み220円の保管料が約365日間発生し続けた。今回の機種は、Heta ノルン ソープストーン+オーブンだった。ちょうど値上げ前のタイミングで発注したので、保管料がかかっても値上げ後の発注よりも安く上がった計算だ。
組み立てて重量が増加し、遮熱板もビスで固定してしまったので、万一煙突芯の位置がずれていたら修正が大変だと思ったけど、下げ振りで、設置位置を決定した効果は絶大で、非常にスムーズに煙突接続できた。
次の工務店が決まってリフォーム工事が再開したという連絡を受けた。リフォームの終了は今年の9月末の予定だけど、設置工事できる状況の時に前倒しで行った。
薪ストーブの設置工事を、引き渡しのギリギリに設定すると、スケジュール調整が難しかったり、外構工事とバッティングして搬入できなかったりと、色々問題が発生しがちだからだ。
そういうわけで薪ストーブ設置工事の完了後のすぐの入金ではなく、まだ2カ月以上先の9月末に融資実行となる。
当店では、こういう場合でも柔軟に対応している。無理に工務店や設計事務所に、支払先を一本化して、薪ストーブを下請け工事にするのではなく、薪ストーブ工事は施主さんが別途分離発注するという形にした方が、施主さんの意向を汲んだ仕様で施工できるので、お勧めだ。
(明日の記事では、別件で、設計士からの驚きの依頼内容を紹介する。設計士に薪ストーブ工事を丸投げするとどうなるかと想像がつく内容だ)
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