新築の場合には図面のやりとりだけで、設計図面上で煙突位置を決定できるけど、既存住宅への後付けでの薪ストーブ設置の場合は、そのようにはいかない。
建物の構造部分が、薪ストーブや煙突の設置に都合良く配置されてはいないので「どこなら煙突を無理なく通せるか」という観点で現場で考えながら行うことになる。現場確認の際に基本方針を決めておくけど、実際に開口してみないと判らないことも多い。
そして、修正する点は必ず出てくる。この時に、回避策、対策を考えるわけだ。
このシーズン真っ盛りの忙しい時期に、こちらの現場(神奈川県)でのチムニー作成工事や煙突貫通部分の造作の工事の際に、煙突工事などの実作業のない私が、ずっと現場に張り付いているわけにもいかない。そこで、今回は、リモートで、写真、電話、動画などを駆使して、現場の工務店や施主さんと打ち合わせを行いながら、北軽井沢で、他の仕事も同時にこなす段取りにした。
私が、すぐに電話、LINE対応できる体制になっていないと、現場の作業が止まってしまう。そのため、この工事の日程の3日間は、「見積」「発注」「現場調査」「入荷の荷受け」などの仕事にとどめて、合間にいつでも現場対応できる体制を維持した。車の運転や、実際の工事の予定を入れてしまうと、問題発生時に対応できなくなるので、スケジュール調整を、この現場に合わせ込んだ。
当然、この3日間は長電話も厳禁なので、極力電話がかかってきた場合は、短く済ませた。知らない番号からの時は出ないようにして、工事が終わってから折り返しにした。このように、メールやLINEなどのテキストでならば、対応できるけど、電話は無理という状況もあることを理解して欲しい。
まずは薪ストーブの設置位置を決める。お客様的には炉台のセンターに配置したい希望はあるけど、垂木と垂木の間に設定しないとならないので、ど真ん中にはこない。この場所とこの場所のどちらが良いかということで選択してもらう。
本当はその上のチムニーの位置を考えると、だいぶ左寄りに設置した方が良いのだけど、そうすると薪ストーブの炎が普段リビングにいる場所から見えにくくなると「あちらを立てれば、こちらが立たず」ということになり、どこかで妥協する必要がある。
今回の現場は、煙突を真っすぐと上に立ち上げることは不可能な現況で、薪ストーブを設置した上の階で、エルボで曲げて大きくオフセットさせる必要がある。この時も45°のエルボを使うか、30°のエルボを使うかで、大きくイメージが違ってくる。また、それによってオフセットの寸法も変わってくるので、現場の状況、お客様の希望をバランスさせて設定する。
墨出しが終わったら、貫通部分を作成して、チムニーを作成するだけで、その後は何の問題もなくスムーズに進むというわけにはいかず、既存住宅ならではの想定外の出来事がいくつか発生する。3日間の工務店による工事日程が終わるまでは、油断できない。
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