精度が高いAGNIは本体の分解も容易です。
今回は炉内の細かい部分まで清掃する分解方法をご説明いたします。
- 1.グリドルと天板を取り外す
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触媒清掃の時と同じくまずは天板に「載っているだけ」の調理用グリドル2つを取り外し、
同じく固定されておらず載っているだけの触媒2つと天板を持ち上げて取り外します。
天板を外すと見えるのが「インナートップ」です。
- 2.インナートップを取り外す
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触媒を通った排気はこのインナートップの下を煙突に向かい抜けていきます。
インナートップは、本体ボディ前後に13ミリのボルト4本で固定されています。
直接炎に触れる場所ではありませんので、「熱で焼付き固着してしまい回せない」というようなことにはならないでしょう。
インナートップを取り外すと「上部バッフル」が出てきます。
- 3.上部バッフルを取り外す
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上部バッフルは10ミリのボルト4本で固定されています。
これもインナートップと同じく熱が直接当たる場所ではありませんので焼付きで固着の可能性は低いと思います。
ただ、熱源に近くなりますので念のため組み付け時にアンチシーズ(焼付き防止剤)をボルトとボルトが触れる部分に塗っておくと尚安心でしょう。
上部バッフルを取り外すと見えるのが「下部バッフル」です。
- 4.下部バッフルを取り外す
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下部バッフルは炉内の炎に直接晒されますので熱によるダメージを受けやすくなっています。
しかしメーカーもそこは当然考慮しており、バッフルはボルトで固定されずに載っているだけです。
このお陰で熱でバッフルが伸縮してもおかしなテンションが掛からずダメージを受けにくくなっていますので、比較的長持ちするでしょう。
仮に熱に依るダメージで交換になった場合も、上に持ち上げるだけで取り外せます。
変形しても取り外しにそれほど苦労しない筈です。
下部バッフルを取り外すと炉内が丸見えになります。
- 5.炉内を徹底的に清掃
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お疲れ様でした。
これがAGNIの炉内です。上から炉内全体を見渡せますので、前部(全面扉)と側部(サイドローディングの扉)を開放し徹底的に清掃することが可能です。
当店がお客様にお勧めするのは「壊れにくく」「メンテナンス性の良い」ストーブ
AGNIには上部バッフルと下部バッフルに挟まれた空間があります。
これは二次燃焼用空気の通り道で、背面にある長方形のスリットで確認出来ます。
AGNIでは上部バッフルと下部バッフルの空間を通り、二次燃焼用の空気が「背面から前面扉の上部に向かって」供給される構造になっています。
この設計の狙いは2つありまして、
- バッフル板を空気で冷却して保護する
- ガラスのエアカーテンを兼ねる二次燃焼用空気の温度を上げガラスを煤けにくくする
ことです。
壊れやすいストーブはお客様にも販売店にもデメリットしかない
御覧頂いたように国産の鋳物製薪ストーブAGNIは触媒式でありながら、排気の切り替えダンパーなどの壊れやすい可動部分がありません。
製品の精度が高いおかげでメンテナンス性、分解性にも非常に優れています。
必要な工具も13ミリと10ミリのスパナだけで、他に特殊工具は何も要りません。
当店ではお客様に薪ストーブを大切に長く使って頂きたいと願っております。
ですので「壊れにくさ」「メンテナンス性の良さ」の2ポイントは当店がお客様にお勧めする機種を選定する上で非常に重要なチェックポイントなのです。
この2ポイントを押さえておけば、
- お客様が余計な修理コストを負担しなくて済む
- 故障したから修理してくれという依頼が集中しないで済む
というお客様と当店両方へのメリットもあります。
このポイントを押さえずに壊れやすいストーブを販売してしまうと、お客様は修理コストが、当店は修理による時間コストが大きくなりデメリットしかありません。
そういう意味においても、このAGNIは充分合格点を与えられる機種です。